将来就きたい職業

‘05年版 新1年生の 「将来、就きたい職業」、親の「就かせたい職業」 男の子編

2005年4月

1) 親子とも人気の「スポーツ選手」、“ニート”時代を反映し親は子に安定した定職を望む

男の子の希望トップ5(回答数 2,000)(%)
順位 就きたい職業 今年 2004年 2003年
1 スポーツ選手 29.8 32.2(1) 31.6(1)
2 運転手・士 8.2 8.8(2) 8.5(2)
3 警察官 6.6 7.9(3) 4.1(5)
4 職人 5.8 5.9(4) 7.6(3)
5 消防士 5.2 5.5(5) 5.1(4)

()内は順位

親の希望トップ5(回答数 2,000)(%)
順位 就きたい職業 今年 2004年 2003年
1 公務員 23.5 24.0(1) 22.6(1)
2 スポーツ選手 15.9 15.0(2) 15.0(2)
3 医師 9.2 8.9(3) 9.6(3)
4 会社員 6.6 5.0(4) 4.8(5)
5 エンジニア 4.9 4.7(6) 5.0(4)

()内は順位

男の子の「スポーツ選手」(29.8%)に対する憧れは、2位以下を大きく離して非常に高く、常に3割近くあります。昨年のアテネ・オリンピックにおけるメダルラッシュ、大幅に増えたプロ野球選手のメジャーリーグ参戦、今年に入ってからのワールドカップのアジア最終予選など、世界をステージに活躍するスポーツ選手の話題が子どもたちの関心を引いているようです。
親の方も約6人に1人(15.9%)が子どもにスポーツ選手を望んでおり、将来とも“スポーツ大国日本”は確かなものと期待されます。
男の子の第2位は3年連続して(2)運転手・運転士(8.2%)です。新型新幹線の運転や“電車でGo”を夢見る子どもたちも多くいます。また、市民生活を守る(3)警察官(6.6%)や(5)消防士(5.2%)への関心も高いものがあります。手に職をつける(4)職人(5.8%)に対する男の子の人気も常に上位にあり堅実です。
親が男の子に望む職業のトップ3は、(1)公務員(23.5%)、(2)スポーツ選手(15.9%)、(3)医師(9.2%)でここ3年不動です。以下、(4)会社員(6.6%)、(5)エンジニア(4.9%)、(6)消防士(3.5%)と続きます。
今年も首位の公務員(23.5%)、会社員(6.6%)とエンジニア(4.9%)の比率が前年より高くなっているのを見ても分かるように、通学や職探し、職業訓練をしていない若者、いわゆる“ニート”が増加する中、親はしっかりとした組織に属し安定した人生を送って欲しいと望んでいます。

2) 男の子でも「パン・ケーキ・お菓子屋」「自営業」に関心 「学者」も大幅に伸張

トップ10内で親子ともに挙げている職業は、スポーツ選手(子1位、親2位)、職人(子4位、親8位)、消防士(子5位、親6位)、パイロット(子8位、親8位)の4職業で、親も子どもの頃一度は憧れたような“カッコイイ”職業が共通しています。

男の子の希望6~10位(回答数 2,000)(%)
順位 就きたい職業 今年 2003年 2002年
6 パン・ケーキ
菓子
3.8 4.5(6) 3.3(8)
7 自営業 3.7 2.3(12) 3.3(7)
8 パイロット 3.3 3.0(9) 2.8(11)
9 TVアニメ
キャラクター
3.2 3.1(8) 4.0(6)
10 学者・大学教授 3.1 1.9(14) 2.4(13)

()内は順位

親の希望6~10位(回答数 2,000)(%)
順位 職業名 今年 2003年 2002年
6 消防士 3.5 3.2(9) 3.2(9)
7 建築家・
設計士
3.1 2.5(10) 3.0(10)
8 パイロット 3.0 5.0(5) 4.2(7)
職人 4.2(7) 4.4(6)
10 教師 2.4 3.5(8) 3.3(8)

()内は順位

男の子では「パン・ケーキ・お菓子屋」(3.8%)が昨年に続き6位を確保。「自営業」(3.7%)が一昨年の7位に返り咲き、自分の才覚で商売をしてみようとの意欲を見せています。
“理科離れ”が杞憂される中、今年は(10)学者・大学教授・科学者(3.1%)が昨年の14位から10位にランクアップ。親も同じ傾向を見せ、(11)学者・大学教授・科学者(2.2%)は18位からの上昇です。
親では(7)建築家・設計士(3.1%)が10位から上昇。5位のエンジニアとも合わせると理工系志向が強まっています。このまま順調に育ってくれると“科学立国”の復権も近いかも知れません。

3) スポーツ選手をめざす男の子に「野球」人気が復活、親も3割が「野球」を希望

約3割(596人)の男の子が目指すスポーツ選手の種目は何なのでしょうか。
約半数が「サッカー選手」(48.5%)で、ずっとトップであるのは変わりませんが、今年は野球が28.9%と、昨年より5ポイントも伸ばしています。プロ野球創設70年の節目に起きた球団合併問題。初のスト決行を経て12球団の維持が決まり、セ・パ交流戦の実現を見るプロ野球新時代は、メジャーリーグに新たに3選手進出とともに、子どもたちに高い関心を与えたようです。
子どもに希望の職業を聞き始めて7年になりますが、今年の「野球選手」の全体比率は8.6%。これは過去最高のシェアです。

「サッカー選手」と「野球選手」の全体比率 「サッカー選手」と「野球選手」の全体比率

一方、親が望むスポーツ選手は野球(30.2%)がサッカー(19.8%)を上回っています。しかし、今年は子どもとは逆に昨年(野球=32.8%、サッカー=17.7%、差15.1ポイント)よりその差は5ポイントほど縮まっています。
オリンピックにおけるメダルラッシュの影響は男女ともに現れています。これまでスポーツ選手の種目としてあまり挙がってこなかった水泳(男の子=2.3%、女の子=13.2%)や体操(男=1.5%、女=9.4%)、陸上・マラソン(男=1.2%、女=7.5%)の選手を目指す子どもたちが増えています。
また、宮里藍、横峯さくら選手をはじめとする若手女子ゴルファーの活躍で女の子をゴルフ選手したいという親の夢は、スポーツ選手の4人に1人(25.0%)にもなります。