中期経営計画『PROUD 2020』

中期経営計画「PROUD 2020」:概要

中期経営計画「PROUD 2020」(2018年度~2020年度)PDF(1.6MB)

1.長期ビジョン「Kuraray Vision 2026」

中期経営計画を策定するにあたり、100周年を迎える2026年までの10年間の長期ビジョン「Kuraray Vision 2026」を策定しました。

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2026年には、当社事業を取り巻く環境はデジタル化の進展や、新興国経済の拡大によって劇的に変化することが想定され、化学業界においてはニューカマーの出現による競争激化などが容易に想像されます。一方、ルールや法規制が変わる可能性がある事や、IoTなどを活用した技術革新によって、新たに出て来る機会や課題があると認識しており、その解決に化学が貢献できるチャンスも増えてくると考えています。

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そのような状況下で、当社は2026年のありたい姿を「独自の技術に新たな要素を取り込み、持続的に成長するスペシャリティ化学企業」としました。

このありたい姿の実現に向けて、基本方針として、以下の3つに取り組みます。

1つ目は既存事業における競争優位の追求です。当社が培ってきた技術や製品を活かしながら、顧客ニーズに合った新製品や用途の開発や新興国市場でビジネスの拡大や、新たな需要の発掘を行っていきます。

2つ目は新たな事業領域の拡大です。独自性の高い技術に外部の技術や事業を掛け合わせ、新しい事業展開を行っていくことや、M&A・アライアンスなど、事業領域の拡大を行っていきます。

3つ目はこれら2つの方針を支えるグループ総合力強化です。ビジネスや、拠点が増加していく中で、経営基盤の構築を進め、グループトータルの総合力を上げていきたいと考えています。

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当社は過去10年以上をかけて、事業の選択と集中をおこないながら、M&Aを含む、事業拡大を行い、ポートフォリオの強化をしてきました。

前中期経営計画「GS-STEP」では買収事業のシナジー発現など、主にコア事業であるビニルアセテートの収益力強化や事業拡大を進め、業界NO.1のポジションを築き上げてきました。

今後は、引き続き、中間素材メーカーとして高付加価値の追求をしながら、ビニルアセテートに次ぐ、第2、第3、第4の柱を作り、持続的に成長するスペシャリティ化学企業を実現していきます。

2.中期経営計画「PROUD 2020」

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当社は企業ステートメントで「安全はすべての礎」として、安全の最優先、事業活動を通じた社会への貢献、安心・安全で風通しの良い職場づくりをうたっており、事業の持続的な成長を通じて、ステークホルダーの期待に応え、責任を果たしていきたいと考えています。

今回の中期経営計画では、間もなく100歳を迎える企業として、このような基本姿勢を今まで以上に大事にしていきたいという思いを込めて「当社グループを取り巻くすべての人が、誇りに思える(PROUD)会社」を目指し、「PROUD 2020」と名付けました。

今後も、社員一丸となって社会からの信頼を獲得し、すべてのステークホルダーに誇れる会社になりたいと考えています。

経営戦略

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「PROUD 2020」では4つの主要な経営戦略を掲げております。

競争優位の追求では、
  • 顧客のニーズに基づいた製品や用途の開発を行い、新たな需要を創出します。
  • 新興国市場へは、需要の創出や拡大を行います。
  • デジタル戦略の推進により生産・業務プロセスの革新を図ります。
新たな事業領域の拡大では、
  • 独自技術を強化しつつ、外部の技術を取り込みながら新しい事業を作り出していきます。
  • 引き続き、M&Aやアライアンスも検討していきます。
  • スペシャリティ化学メーカーとして、サービスもあわせて提供することで事業性を高めるビジネスモデルを確立し、新たな領域に踏み出します。
グループ総合力強化では、
  • ビジネスの拡大に合わせて、グローバル経営基盤を強化、推進します。
  • 世界中で優秀な人材を惹きつけられる働きがいのある職場作りをしていきます。
  • グローバルレベルで社内コミュニケーションを促進し、クラレグループの一体感を醸成します。
環境への貢献としては、
  • 地球環境に貢献する製品提供を拡大していきます。
  • 環境への負荷を低減したプロセスによる事業活動を行っていきます。
  • 生活の質を高めるための製品の提供をしていきます。

業績目標

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研究・開発

研究・開発


研究開発では3つの方策として、既存事業の強化・拡大、基盤技術の構築・深耕、新事業の推進を進めます。

既存事業の強化・拡大については、マーケットや顧客のニーズの実現にあたって技術、開発の面で事業をサポートしていきます。
知財戦略を強化していきます。

基盤技術の構築・深耕については、製造プロセスの開発や新製品開発の鍵となる触媒研究開発や高分子材料研究開発を強化していきます。

設備投資

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「PROUD 2020」において、事業収益の向上や経営基盤の強化ための戦略投資と需要の拡大に合わせた設備増強を目的とする成長投資を積極的に行っていきます。

3年間で計画している2,500億円の設備投資のうち、およそ6割が、その戦略投資と成長投資にあたります。
想定している主な設備投資案件は図に記載の通りです。

この2500億円には、イソプレンのタイ新工場設立に関する投資や新事業での投資は含みません。

また、M&Aに関しても引き続き検討していきます。

財務戦略

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「PROUD 2020」の3年間で、3,000億円のキャッシュフローの獲得を見込んでいます。

設備投資は、決定ベースでは3年間で2,500億円を計画しています。

当社は将来の成長への投資を最優先としておりますが、株主の皆さまへの還元についても、経営の最重要課題と認識しております。

最低配当ラインを設定した、業績連動型の配当をおこなう方針を継続し
「PROUD 2020」期間中は、総還元性向35%以上、年間配当金は一株につき40円以上とします。
また、自社株買いについても資本の状況や市場環境を見ながら弾力的に実施する予定です。