Q | <ジェネスタ>はどんな所に使われているんですか? |
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A |
ノート型パソコンのカード差込口をのぞき込んでみて下さい。プラスチック状のモノが見えるでしょう?それが<ジェネスタ>なんですよ。現在、ノート型パソコンや携帯電話を構成する電子部品などに使われていることが多いプラスチックです。 |
Q | なるほど。<ジェネスタ>にはどんな特徴があるんですか? |
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A |
<ジェネスタ>はエンジニアリングプラスチックといって、一般のプラスチックよりも高性能で、(1)耐熱性、(2)低吸水性、(3)耐薬品性、(4)高摺動性(摩擦に強い)などの特徴があります。例えば、普通のプラスチックだと熱や水分、それから度重なる摩擦によって変形してしまったり、薬品に触れると溶けてしまうことがあるんですが、<ジェネスタ>は強いんです。まるで金属のようなんです。「自由に成形できる」というプラスチックの利点を備えながら金属のように強いため、スーパーエンプラと言われているんですよ。 |
Q | なかなかの優れものなんですね。ところで、最近のパソコンや携帯電話って、どんどん薄くコンパクトになってきていますよね。<ジェネスタ>が関係しているんですか? |
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A |
そうなんです!パソコンや携帯電話の電子部品を接着するには、図のように基盤に穴をあけて裏面からハンダをつけて止めていたのですが、<ジェネスタ>を使った電子部品だと熱に強いので、SMT(表面実装)方式といって穴をあけずに直接ハンダをつけて加熱接着できるんですね。その結果、あいた裏面にも他の部品や回線がつけられるようになったので薄くできるんです。また、回路も短くなったので応答が速くなったんですよ。 |
Q | なるほど。どこにクラレの技術が生かされているのですか? |
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A |
<ジェネスタ>は世界で唯一、クラレが工業化したノナンジアミンというモノマーを使ったポリマーなんです。これができたのは、モノマーをつくる合成技術、最適な性能を発揮するポリマーをつくる重合技術、より実用的な性能を高めるコンパウンド技術のノウハウの積み重ねがあったからなんです。 |
Q | 技術の集大成なんですね。 |
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A | さらに、<ジェネスタ>を部品に加工する際に、性能を最大限に生かす金型の設計や成型加工技術をユーザーに提案できるように、研究を進めています。<ジェネスタ>の広がりのカギはここにあります。これからも市場の情報をうまく取り込みながら技術開発を進め、市場を拡大していきたいと思います。今後は、電子部品に加えて自動車部品の分野へも拡大していく予定です。 |