当社は、ドイツHT Troplast(トロプラスト)社のポリビニルブチラール(PVB)フィルム事業を買収することを決定し、同社の親会社であるRütgers(ルトガー)AG社と契約を締結しました。
当事業はドイツ・トロイスドルフ(ボン近郊)に本拠を置き、合わせガラス(*)用中間膜の生産・開発・販売において世界の13%のシェアを持ち、特に欧州の建築用途においてはリーディングカンパニーの位置にあります。
本件は、PVA、EVOH(商標名<エバール>)、ビニロン繊維、ポバールフィルム等に代表される当社の基幹事業のひとつである“酢ビ・ポバール系事業”を重点的に拡大する戦略に合致したものです。
当社は“酢ビ・ポバール系事業”の強化拡大の一環として、2001年12月にクラリアント社(ドイツ)のPVA・PVB樹脂事業を買収し、事業継承会社として設立したクラレスペシャリティーズヨーロッパ社(KSE社)において事業を運営しています。2003年8月には同社においてPVA樹脂の設備増強に着手し、欧州市場の需要拡大、用途開拓に対応するべく体制を強化しています。
HT Troplast社のPVBフィルム事業は、KSE社が運営するPVB樹脂事業とは50年に及ぶ取引関係にあります。今回の買収により、当社グループは原料PVAからPVB樹脂、同フィルムに至る一貫体制を確立し、“酢ビ・ポバール系事業”のダウンストリーム展開を強化します。さらに研究開発の一元化、シナジー効果の発現により、成長する欧・米・アジアの建築用・自動車用合わせガラス市場の多様なニーズに的確に対応し、中長期的な事業拡大に繋げていきます。
本件を通じ、当社は“酢ビ・ポバール系事業”のグローバルリーダーとして、欧州における市場プレゼンスを高めるにとどまらず、日・欧・アジアの有機的な連携により世界市場における拡大・強化をいっそう加速させてまいります。
なお、この買収は所管当局の正式な承認を受けた後に実行されます。
所在地 | ドイツ トロイスドルフ(Troisdorf) |
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売上高 | 約1億ユーロ |
従業員 | 約250名 |
事業所 | ドイツ、ロシア(生産子会社)、米国・マレーシア・インド(以上販売子会社) |
(1) 社長 | 和久井康明 |
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(2) 本社 | 東京都千代田区大手町1-1-3 |
(3) 売上高 | 332,149百万円(2003年度) |
(4) 資本金 | 88,955百万円(2003年3月末) |
(5) 主要事業 | ポバール樹脂・<エバール>樹脂及びその他関連製品、ビニロン繊維、イソプレン化学製品、メタクリル樹脂、人工皮革、ポリエステル繊維、不織布、メディカル製品 |
(1) 名称 | Kuraray Specialities Europe GmbH |
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(2) 社長 | Dr. Gerd Lepper(ゲルド・レッパー) |
(3) 本社 | ドイツ フランクフルト |
(4) 資本金 | 20百万ユーロ(クラレヨーロッパ社(*)100%出資) |
(5) 従業員数 | 約250名 |
(6) 主要事業 | PVA樹脂、PVB樹脂の製造・販売 |
(7) 生産能力 | PVA樹脂“Mowiol”(モヴィオール) 年産50,000トン (05年初 増設完了予定 増設後 年産70,000トン) PVB樹脂“Mowital”(モヴィタール)年産20,000トン |
(1) 名称 | Rütgers AG |
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(2) 代表者 | Chairman of the Supervisory Board:Professor Dr. Utz Hellmuth Felcht CEO:Dr. Heinz Rzehak |
(3) 本社 | Essen, Germany |
(4) 売上高 | 2,491百万ユーロ(2003年度) |