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株式会社クラレ

当社は、TPU(熱可塑性ポリウレタン:当社商標「クラミロン」)を倉敷事業所(岡山県倉敷市)で生産(年産1,400トン)していますが、最近の需要増に対応すべく、この度、立地を鹿島事業所(茨城県神栖市)に移し、年産2,000トンに能力アップした生産設備を新設することを決定しました。新設備は2006年12月から稼動を開始する予定で、これに伴い、倉敷事業所の現行設備での生産は停止いたします。

TPUは熱可塑性エラストマーの代表的素材であり、強度や耐摩耗性に優れる特長を生かし、靴底などの射出成形用途やチューブ・ベルトを中心とした押出成形用途などで広く使われています。さらに、グリップ用などで軟質塩ビ代替用途での展開が進んでいます。最近では溶剤フリーや加硫ゴム代替などのニーズの高まりからグローバルで年率5%以上の成長が続いています。一方、市場の拡大に伴い、ますます高機能化や高性能化などの差別化も求められています。

このような状況の下、当社のTPUは溶融粘度安定性に優れ、かつ異物の少ない高品質製品として、成形精度を要求される用途で高い評価を受けています。
さらに、最近ではユニークな銘柄として“TUポリマー”を開発し、新規市場開拓を進めています。この“TUポリマー”は、水添スチレン系エラストマー(HSBC:当社商標<セプトン>)とTPUという異なる特徴をもつエラストマーを分子レベルで結合させたものであり、オレフィン系樹脂からエンジニアリングプラスチックまで幅広いポリマーとの相容性・接着性を有することから、硬質樹脂との二色成形用軟質コンパウンドの相容化剤用途で需要が拡大しています。

今後、TPUは当社独自性が生かせる領域で新規市場創出を図るとともに、<セプトン>や液状ポリイソプレンゴム(当社商標<クラプレンLIR>)とのシナジーを追求しながら、当社エラストマー事業の一翼を担う製品として強化・拡大していきます。

新設備の概要

場所 当社 鹿島事業所(茨城県神栖市 事業所長:大崎 隆義)
生産能力 年産 2,000トン
稼働開始予定 2006年12月
設備投資額 約15億円