株式会社クラレ
株式会社クラレ(本社:東京都千代田区、社長:伊藤正明)は、当社開発の高強力ポリアリレート繊維<ベクトラン>を使用した防災用テント<ジオダイナ>をこのほど発売しました。一般的な防災用テントであるエアーテントと同等の耐久性をもちながら、無電源で簡単に設置できます。
県内の防災拠点に設置する無電源の防災用テントを必要としていた静岡県のニーズに基づき、中央官公庁向け製品の製造パートナーであるハイランドテクノ株式会社(本社:栃木県那須塩原市、代表取締役:西田努)と共に開発を行いました。今後は、<ジオダイナ>を主力製品とした当社及びハイランドテクノ株式会社のその他防災関連製品をパッケージ化し、自治体を中心に関連団体や工場を有する企業での採用拡大を目指します。
開発の背景
- 東日本大震災を機に、防災や危機管理に対する関心が社会全体で高まった。2014年3月には、政府が南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域として1都13県139市町村を指定するなど、国を挙げて大規模な地震災害への対策が大きく見直されている。
- 「防災先進県」として知られる静岡県では、巨大地震や富士山噴火などの自然災害を想定した防災対策が早くから重要施策として推進されており、県内の防災拠点に設置する無電源の防災用テントを必要としていた。
- 当社の素材性能に加え、商業用テントや中央官公庁向けの特殊装備品で培ったノウハウと、製造パートナーであるハイランドテクノの高い技術力を最大限に活用し、災害時の指揮所となる防災用テントの開発・提案に至った。
製品の特長
- 高強力繊維<ベクトラン>を使用し、居室空間として十分な広さを持ちながらも、少人数で設営できる軽量設計を実現。
- シートとフレームが一体構造なので、運搬から設営まで大人4人で作業でき、わずか30秒で立ち上げ可能。
- 一般的に災害用テントとして使用されるエアーテントのように電源確保の必要がなく、緊急時の備えに最適。
- 張り網や杭打ちができないアスファルトなどの場所でも、付属の水のうを使用することで場所を選ばずに設営が可能。
主な用途
- 緊急時の現地対策本部、避難用住居、医療・救護スペースなど
- 簡易倉庫や作業場など
売上目標
製品仕様
本体レーム | 5,330㎜ × 5,870㎜ × 2,710㎜ |
本体重量 | 約100㎏ |
床面積 | 28平方メートル(16畳分) |
居住容積 | 54立方メートル |
耐久性 | 風速10m/s 、積雪5㎝ |
高強力ポリアリレート繊維<ベクトラン>の特長
- クラレの独自技術によって繊維化されたポリアリレート繊維です。
- 同一重量の鉄の約7倍の引張り強度を持つ上、水を吸いにくく、温度変化に強く、耐摩耗性に優れるなどの特長があります。
- 金属ワイヤーの代替としてロープや魚網など、広く産業資材として使用されており、NASAの火星探査車の着陸用エアバッグにも使用されました。
ハイランドテクノ株式会社 概要
代表者 | 代表取締役 西田 努 |
本社所在地 | 栃木県那須塩原市四区町1544 |
設立 | 2005年9月 高島株式会社(東証一部上場)の100%出資子会社 |
資本金 | 7,000万円 |
事業内容 | 縫製加工製品の開発・製造・販売、及び膜構造の設計・加工 |
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