●地下構造物用や山岳トンネル等向けのエチレン酢酸ビニル(EVA)樹脂系の防水シートのご紹介をします。
NETIS登録済 (番号KT-130106-A)
◆ シート/コンクリート界面の水ばしり阻止
表面に特殊EVA樹脂(エチレン-酢酸ビニル共重合体)が配合されており、硬化過程のコンクリートと化学的に接着(一体化)することにより、地下構造物などの内部への漏水の発生を防ぎます。
◆ 耐破損性に優れる
<エバブリッド>は強靭なシート構造であり、下地の凹凸やコンクリート収縮・ひび割れに伴う損傷が生じ難く、漏水の直接原因となるシート損傷を回避できます。
<フィットライナー>は伸びが大きく、NATMトンネルなどのアール面へのコンクリート打設時でもシートが追随します。
◆ コスト削減に貢献
地下構造物を構築するコンクリートと化学的に接着(一体化)することにより高い防水性を発揮するため、漏水補修にかかるコストの削減に貢献します。
◆ 高い耐水圧性
<フィットライナー>厚さ2mmは、水頭差100mに相当する1.0MPaの水圧下でも高い水密性を確認しました。
(公益財団法人鉄道総合技術研究所 開削トンネル用先防水シート基準試験方法(暫定案) 平成19年9月 「モルタルと防水シートの水密性試験」による)
<エバブリッド>・<フィットライナー>は開削トンネルやウォータータイトトンネルなどの抜本的な止水を目的に、公益財団法人鉄道総合技術研究所と株式会社クラレが共同で開発した、高性能土木・建築用防水シートです。
コンクリート接着層
株式会社クラレが開発した特殊EVA樹脂(エチレン-酢酸ビニル共重合体)が配合されていてコンクリートと化学的に強固な接着性を発揮し、コンクリート/シート間の漏水を面的に防止します。
基布層
強靭で適度な伸びを有する基布から構成されています。この基布層により、コンクリート打設に伴うシートの損傷を防止します。
遮水層
コンクリート接着層と密着性が高く、柔軟なEVA樹脂から構成される遮水層で、安定した遮水機能を維持します。
タイプ | <エバブリッド> | <フィットライナー> | <フィットライナー> Type-S | |
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品番 | KJS1000A | NATM20 | NATM08 | |
目付 | 1,200g/m² | 2000g/m² | 800g/m² | |
長さ | 15m | トンネル周長による | ||
幅 | 150cm | 200cm | ||
厚さ | 1.2mm | 2.0mm | 0.8mm | |
一巻の重量 | 29Kg | - | ||
構成 | コンクリート接着層 | 特殊EVA樹脂(黄色) | 特殊EVA樹脂(白色) | |
基布層 | 織物 | - | ||
遮水層 | EVA樹脂(白色) | 高伸度EVA樹脂(黒色) |
*数値は標準値です
Topic
<エバブリッド>は社団法人発明協会の平成23年度全国発明表彰「発明賞」を受賞しました。
※全国発明表彰について※
社団法人発明協会が毎年、優れた発明を完成した人、実施化に尽力した人、発明の指導・奨励・育成に貢献した人を顕彰する制度です。大正8年の第1回帝国発明表彰に始まり、現在は文部科学省、経済産業省、特許庁などが後援。最も優秀な発明に贈られる「恩賜発明賞」以下、「21世紀発明賞」、「特別賞(内閣総理大臣発明賞、文部科学大臣発明賞など9賞)」、「発
明賞」などを選考委員会が決定、表彰を行います。
【従来の問題点】
地下構造物には内部への漏水を防止する目的で、地下構造物の外周に防水シートを施すなどの対策を行っています。しかし、従来の防水シートは、地下構造物を構築するコンクリートと接着(一体化)していませんでした。
そのため、施工時の接合不良や破損などにより地下構造物内部に地下水が浸入した場合、防水シートとコンクリートとの隙間を水が通り、コンクリートのひび割れから地下構造物の内部に漏水が発生することがありました。
【<エバブリッド>・<フィットライナー>の効果】
<エバブリッド>・<フィットライナー>はコンクリートと面的に強固に接着するため、万一部分的な損傷が生じても、高い水密性が得られます。このためシート/コンクリート界面の水ばしりを阻止し、シートが万一破損してもこの箇所とコンクリート・ひび割れ部が一致しない限り漏水しません。
以下の試験法に準じて製品の性能評価を行っています(<エバブリッド>)
①公益財団法人鉄道総合技術研究所
開削トンネル用先防水シート基準試験方法(暫定案) 平成19年9月
②東京地下鉄株式会社
開削トンネル用防水材検査基準(案) 平成16年4月
※所定の性能を満たすことを確認済み
開削トンネル・駅舎・建築構造物・NATMトンネル・SENS工法など