トップステートメント

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代表取締役社長 川原 仁

私たちクラレグループは、1926年の創立以来、事業の成長と社会への貢献の両立に挑戦し続けてきました。初代社長大原孫三郎と第二代社長大原總一郎は、自らの創意と努力によって技術的課題を克服し社会に価値を提供する一方で、企業の社会的責任を重視し、労働問題や環境問題などの社会的課題の解決にも注力してきました。
 この信念は現在もなお、私たちの使命「独創性の高い技術で産業の新領域を開拓し、自然環境と生活環境の向上に寄与します。― 世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる―」として受け継がれています。

変化しながら進化を遂げていくためには、「挑戦」が必要不可欠である

中期経営計画「PASSION 2026」の実行には、全社横断的な連携が極めて重要な要素となり、既存の枠組みを超えた活動が必要となります。一朝一夕には変わりませんが、少しずつ社員の意識もチャレンジングな方向へと変わりつつあることを実感しています。物事を深く考えて行動するクラレの良さを生かしながらも、全社員の意識改革をさらに進めていくことで、社会の変化をも好機と捉え、柔軟に対応しながら自ら変化し、常に成長・進化を遂げていく会社にしていきたいと思います。
 この意識改革については中期経営計画「PASSION 2026」の「私たちの挑戦」に織り込んでいます。挑戦の一つである「機会としてのサステナビリティ」では、サステナビリティを事業創出の機会として捉え、グループ一丸で“One Kuraray”となって取り組みます。各事業部・組織を超えた交流や協業などを通じて、互いに刺激し合い、挑戦を促す風土を醸成していきます。

重要な経営戦略として、サステナビリティを加速的に強化する

サステナビリティは、企業の存続、成長に不可欠な要素であるとともに、世の中のために取り組みを加速させる必要があります。気候変動や生物多様性の観点から、化学業界に対してネガティブな見方があることは否めず、ネガティブインパクトを軽減する技術開発の必要性を課題として認識しています。しかしながら、化学業界はこれまでも歴史の中でさまざまな課題を解決し、社会の発展に寄与してきたポジティブな面を持ち、将来の可能性を秘めています。
 こうしたサステナビリティへの対応などについて議論する場として、私自身が委員長を務めるサステナビリティ委員会を四半期に1回開催していますが、今後のトレンドの急激な変化にもしっかり対応するため、2024年からは開催頻度を上げて即判断、即着手で取り組んでいく方針です。

次代の「世のため、人のため」を見据え、コアとなる事業を育てていく

クラレグループには新しいことを生み出す力があります。私の役割は、次の世代の「世のため、人のため」に向けてコアとなる事業を育てることです。その先の未来では、クラレグループがスペシャリティ化学メーカーから転換し、未知なる新しい企業体へと進化を遂げていくかもしれません。しかし私は、クラレグループがどんな企業体になろうとも、私たちの使命「世のため、人のため」を心に刻み、事業に反映し続けていくことで、世の中で特別な存在になれればよいと思います。
 ステークホルダーの皆さまに「クラレグループは、私たちの夢や希望を実現してくれる企業」という信頼感を抱いていただけるように、これからも誠意をもって経営努力をして参ります。今後とも皆さまの一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。