研究開発本部を中心に、コーポレート研究開発のミッションである①新事業の創出、②既存事業の強化・拡大、③基盤技術の構築・深耕の達成に向けてグループ一丸となって取り組んでいます。中期経営計画「PASSION 2026」では、これらの取り組み姿勢を継続しつつ、イノベーションネットワーキングセンター(INC)と連携して開発アイテムのグローバルでのマーケティング活動を推進するほか、バックキャスト型の研究開発を行うことで「新たな要素」を取り込み、イノベーションを加速していきます。
- イノベーションネットワーキングセンター
- 研究開発本部
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くらしき研究センター
合成研究所、高分子研究所、構造・物性研究所、環境・エネルギー研究所、融合技術領域探索グループ
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つくば研究センター
高分子材料研究所、成形・加工研究所
- 知的財産部
- 企画管理部
- KAI Corporate R&D
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くらしき研究センター
- IPマネジメントセンター
- 各事業部
- 研究開発部門
イノベーションネットワーキングセンター(INC)
イノベーションネットワーキングセンター(INC)は、社内外のリソースを結びつけ、イノベーション創出につなげることを最も重要な目的としています。
各事業部、各本部、および顧客が主役となってイノベーションを生み出していけるように、クラレグループのイノベーションのアクセラレーターの役割を担い、全社・全員参加型の活動を推進しています。そのため、この組織ではアンバサダー制を採用しており、多様なバックグラウンドをもつ20名余りの本所属メンバーと各部署を代表する50名余りのアンバサダーがデジタル空間でグローバルに連携して活動しています。
クラレグループの国内外の多様な人材、ユニークな技術力、これまでに培った顧客との関係性や市場へのアプローチ手法などをグローバルに活用し、中長期的な視点で新たなビジネスの機会を創出していきます。
研究開発本部
持続的に成長する「スペシャリティ化学企業」の実現を目指し、研究開発・新事業開発の中核的存在として活動しているのが、コーポレート組織の研究開発本部です。くらしき研究センター、つくば研究センター、知的財産部、企画管理部を擁しています。
くらしき研究センター
有機/高分子合成技術、触媒化学、高分子材料関連技術、環境・エネルギー関連技術を基盤技術とし、新事業、新規製品、新技術の研究開発を行っています。また、分析・解析技術、安全性評価技術により、クラレグループ全社の分析センターとして技術課題の本質的解決に向けたグローバルな取り組みを実施しています。
- 1.設立経過
- くらしき研究センターの歴史は、1968年7月に「倉敷レイヨン中央研究所」として青江山地区(現在の倉敷事業所(研究所))に設立されたことから始まります。当時は、日本の製造業が中央研究所を次々と設立し始める時代でした。その後、時代の変遷に合わせ、役割を少しずつ変化させながら分割や統合、移管などを経て、2012年9月、四つの研究所(合成、高分子、構造・物性、環境・エネルギー)からなる「くらしき研究センター」に改組し、現在に至っています。
- 2.特徴
- くらしき研究センターでは、日本の合成繊維の先駆けとなったポリビニルアルコール繊維「ビニロン」やイソプレン関連製品の工業化などの過程で培われた合成(有機・高分子・無機)技術、触媒技術、酢酸ビニル系高分子関連技術、高分子複合技術、炭素材技術、分析技術などを基盤とし、新しい技術を付加しながら、環境、エネルギー、電子・光学などの成長市場領域における先端的・独創的な製品の研究開発およびクラレグループの分析・解析の拠点としての活動を行っています。
- 3.研究内容
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- 合成研究所
- 触媒、精密有機合成技術や重合技術を駆使し、新規ガスバリア材料や高性能なエラストマー材料などの開発を進めています。
- 高分子研究所
- クラレの基幹事業である酢酸ビニル関連の材料や技術を軸に、事業の一歩先を見据えた高分子関連材料の新展開を目指しています。
- 構造・物性研究所
- 分析・解析技術を通じ、クラレグループの生産・販売・開発の各部門で生じる技術的課題の解決策を提供しています。
- 環境・エネルギー研究所
- 広く環境・エネルギーに関わる研究開発を推進し、環境ソリューション事業部と共同で、成長市場領域である環境・エネルギー分野の新事業創生を目指しています。
- 融合技術領域探索グループ
- 研究所の枠組みに収まらない研究領域の探索並びに複数の研究所にまたがる研究領域の探索を通して、新事業の創出、既存事業の拡大を目指しています。
つくば研究センター
精密重合および変性、成形材料、成形加工、計算化学を基盤技術とし、新事業、新製品、新技術の開発を行っています。
- 1.設立経過
- つくば研究センターは、本社、新潟事業所、鹿島事業所に近接した立地を生かし、高分子材料や成形加工に関する基礎研究から顧客に近い商品開発まで一貫した東日本の研究開発拠点です。1994年4月、つくば科学万博の跡地に設立された「クラレ筑波研究所」を母体としています。2009年に「つくば研究センター」と改称し、将来の事業の種を生み育てる研究開発本部の組織として二つの研究所(高分子材料、成形・加工)を設置。さらにメタアクリル事業部、ジェネスタ事業部、エラストマー事業部、その他事業部等からの開発メンバーが駐在し、同じ建物内で研究開発を進めています。
- 2.研究センターの特徴
- つくば研究センターでは成長市場での新事業創生を目指し、アクリル系ポリマーやイソプレン系ポリマーを含む新規高分子材料や、複合技術・精密加工技術をベースとした成形加工に関する研究開発を行っています。
また、各事業部の開発拠点としても機能し、事業部や技術本部技術開発センターなどとの情報交換や交流を通じて、研究開発の一層の促進を図っています。さらにつくば研究学園都市の立地を生かした技術・情報交流に加え、研究員が国内外の市場と直接に相対することで、マーケット感度の高い研究センターを目指しています。 - 3.研究内容
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- 高分子材料研究所
- 高分子重合技術をベースとしたメタクリル系・イソプレン系のスペシャリティポリマーの合成研究やその応用に関する研究開発を行っています。
- 成形・加工研究所
- 複層化を中心に加飾など機能フィルムの創製や、その加工技術の検討を通じた製品価値の創出検討を行っています。また、所内だけでなく、グループ全般の開発支援のため、解析・シミュレーションの検討・実践も行っています。
- その他
- 各事業部がそれぞれの状況に合わせて、新銘柄の開発や顧客サービスなど、立地を生かした活動を行っています。
知的財産部
クラレは自社・他社の知的財産(*1)の尊重を基本とし、クラレグループの経営戦略に沿った事業と研究開発の強化・加速化を目的に、事業戦略・研究開発戦略・知財戦略の三位一体で知的財産の創造・保護・活用を推進する活動を、2003年度から展開しています。
具体的には、事業戦略および研究開発戦略の立案と事業リスクの低減を主な目的として、パテントポートフォリオ(PPF)(*2)、パテントクリアランス(PC)(*3)を全社的に推進しています。
また、発明創出基盤強化策の一環として、発明に対する研究者のインセンティブ向上を主な目的として各種の特許補償・褒賞制度を設け、その充実を図っています。
- 無形の発明、考案、思想などの表現、営業上の信用などからなり、特許法、実用新案法、商標法、意匠法、著作権法等によって保護されるもの。
- 特定分野・商品に関する自社・他社の特許群を比較・解析することによって、下記を目指す。
- 両社の技術上の特徴・強み、弱みを把握。
- 各種戦略(研究開発テーマ設定、事業化判断、事業推進、特許出願計画等)の立案。
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- 当社実施予定技術と他社特許との権利的関係を明確化し、事業または研究開発の進め方を判断。
- 障害特許の排除・回避策の立案・実施等により事業化リスクを低減。
企画管理部
研究開発本部の戦略スタッフとして、研究開発本部全般の総合的な企画・推進・調整・管理を進め、経営戦略に整合し、事業成果に結び付く研究開発を実現するための部署です。具体的には、新規事業創出や既存事業の強化・拡大、社外連携の企画・調整、コーポレート研究の資源最適配分・人材育成、本部運営、本部所管テーマの管理と安全の確保を遂行しています。
KAI Corporate R&D
テキサス州ヒューストンに位置する当社米国開発拠点である KRTC(Kuraray Research and Technical Center) に駐在員を置き、米国における事業、生産・開発拠点のサポート、日本国内の研究センターとの連携および、新事業創出に向けた現地大学との協業の推進を行っています。
また、カリフォルニア州シリコンバレーにも駐在員を置き、現地ベンチャーキャピタルを活用したスタートアップの発掘活動も行っています。
IPマネジメントセンター
2022年1月に設立したIPマネジメントセンターでは、各事業部の知的財産戦略をサポートするとともに、グローバルに統合された知的財産戦略を立案・推進し、従来の権利化中心の知財戦略に限定されない、ビジネスにつながる知財活動を具現化していきます。
事業部直轄の研究開発部隊
各事業部の製品に関する研究開発と技術サービスを効率的に推進し、事業拡大に取り組んでいます。また、お客さまの要望に応じて製品の改良改善を進めるとともに、各事業部存続の基盤となる技術の進展にも取り組んでいます。
主な業務
市場拡大 |
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商品の競争力向上 |
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知的財産権について有利な運営 |
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