将来就きたい職業

小学1年生と親、8千人に聞いた 「将来就きたい職業、就いて欲しい職業・1999」

1999年4月

21世紀を担う現代の子どもたちはどのような職業を望み、親はどのような職に就いてもらいたいと思っているのでしょうか。
クラレでは、この春小学校に入学するため「クラリーノ・ランドセル」を購入した全国の8千人の子どもと親(子ども=男女各2千人、親=回答した子どもの親4千人、合計8千人)を対象に、子どもの「将来、就きたい職業」と親の「将来、子どもに就いて欲しい職業」(1人につき一つずつの職業名を記入)を調査しました。

現代っ子と親たちの将来の職業観はどうなっているのでしょうか

男の子が希望する職業ベスト3は「スポーツ選手」「運転手・士」「警察官」、親が男の子に就いて欲しいのは「公務員」「スポーツ選手」「医者」です。
女の子が望む職業ベスト3は、「パン・ケーキ、お菓子屋」「花屋」「看護婦」、親が希望するのは「看護婦」「公務員」「教師」となっています。
親子とも共通して上位に挙げているのは、男の子では「スポーツ選手」、女の子では「看護婦」「教師」「保母」です。
男の子が活動的な職業を望むのに対して、女の子ではおいしいものや美しいものを扱う自営業に人気があります。
一方、親は子どもに対して手堅い「公務員」や資格の必要な「看護婦」「医者」「教師」「保母」などを望み、リストラが後を絶たない世相を反映してか、比較的安定した生活が得られる職業を希望しています。

1. 男の子編

親子とも人気の「スポーツ選手」子どもは「サッカー」、親は「野球」

「スポーツ選手」は親子とも人気があり、2割の男の子、1割の親が将来の職業にしたいと考えています。子どもは2位に「運転手・士」、3位に「警察官」を挙げ、市民のために活躍する公的な職業を夢見ています。
一方、男の子の親は、1位「公務員」、3位「医者」を挙げ、安定した地位や高収入を願っています。
「スポーツ選手」の回答を種目別に見ると、サッカーと野球で親子が対照的な希望を抱いています。男の子は約6割(57.4%)が「サッカー選手」を望んでいるのに対し、親は1割強(15.6%)にしか過ぎません。3割(31.1%)の親はサッカーより野球を望んでいます。

強い子どもの自営志向、親は会社勤め

子どもの4位は「おもちゃ屋」、5位は「自営業」です。7位の「パン・ケーキ、お菓子屋」を含めると、男の子の6人に1人(16.7%)が日ごろから親しみのある自営業を目指すことになります。
一方、親は4位に「会社員」、5位に「エンジニア」を挙げています。現在は、不況でリストラにも遭いかねない職業ですが、やはり文系・理系を問わず会社勤めに根強い人気があります。

親子とも人気の「建築・設計士」や「パイロット」

6位から10位にランクされた職業を見ると、親子とも挙げているのが「建築・設計士」と「パイロット」です。自分の力で大きなモノを造りだしたり、大空へ翔きたいという子どもの希望とそんな子どもになって欲しいという親心の現れでしょうか。
子どもの希望では、運転手・士、警察官に次いで、8位に「消防士」が入っています。
親では公務員、医者などとともに、7位に「教師」、10位に「学者・大学教授」が挙がっていて、安定志向は根強くなっています。

2. 女の子編

親子とも人気の「看護婦」「教師」「保母」、また女の子に強い自営志向

ベスト5で親子ともに挙げているのが「看護婦」(子ども=13.0%、親=15.8%)、「教師」(子ども=8.5%、親=11.2%)、「保母」(子ども=4.2%、親=8.3%)です。いずれも資格は必要だけれども人に奉仕できる職業と捉えているようです。
女の子の2割が望んでいるのは、1位のパン・ケーキ、お菓子屋(22.9%)と2位の花屋(20.2%)。自営志向はかなり高く、9位の「自営業」(2.5%)、13位の「ペットショップ」(1.3%)、14位の「おもちゃ屋」(1.3%)を合わせると約半数(48.7%)にも達します。

腕に職を持つ「ピアノ教師」や「理容・美容師」も人気

“芸は身を助く”といわれるように、女の子は芸能人・タレント、モデル(5.7%)やピアノ教師(4.3%)、理容・美容師(3.7%)などに強い関心を示しています。これは親にも現れており、8位に「ピアノ教師」(3.1%)、10位に「理容・美容師」(2.1%)が挙がっています。