ポリビニルブチラール樹脂は、クラレの主力製品の一つであるポリビニルアルコール(ポバール)を主原料とする樹脂です。ガラスや金属など多くの基材への接着性や各種有機・無機物の分散性に優れるとともに、透明性にも極めて優れています。このような特長により、安全ガラスの中間膜をはじめ、積層セラミックコンデンサ、アルミナチップ抵抗器などセラミックス用のバインダー、塗料・インク用のバインダー、分散剤などの用途に幅広く用いられています。<モビタール>は、クラレヨーロッパ(ドイツ)で生産しています。粉体、フィルムなど、使用方法に応じた形態での提供が可能です。
これらの特長により、<モビタール>の用途は多岐に渡っています。高品質インク、金属類の防錆目的で塗布されるプライマー/塗料のバインダー、さらには最先端のファインセラミックス分野においても欠くことのできないバインダーとして重用されています。
溶剤を撹拌しながら樹脂を徐々に加えていきます。常温でも溶解しますが、加熱すると溶解速度を速めます。ただし、樹脂を加え終わってすぐ加熱すると樹脂同士がブロックになるおそれがありますので、樹脂が十分膨張してから加熱、あるいはゆっくりと昇温してください。混合溶剤を用いる場合は、単独ではポリビニルブチラール樹脂を溶解しない溶剤(芳香族系、エステル、塩素化炭化水素、ケトン)でよく膨張させてから、アルコール系など可溶の溶剤を加えます。溶解速度のはやい低重合度品は、混合溶剤を予め作成してから、樹脂を加えて溶解しても問題ありません。