自動車の座席シートの組み立て作業軽減に一役買う自動車シート用面ファスナー<マジロック>。どのように使われ、どんな効果を発揮するのでしょうか?
Q | <マジロック>って、自動車の座席シートのどの部分に使われているんですか? |
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A |
背中やおしり部分のクッションに埋め込まれているので、残念ながら外からは見えません。座席シートは、ウレタンクッションと布や革などの表皮材を張り合わせることでシートデザインを形成します。<マジロック>は、この張り合わせる工程で、ウレタンクッションと表皮材がずれないように固定させる役割を持っています。 |
Q | 面ファスナーの接着性が生きているんですね。 |
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A |
はい。一般に座席シートの組み立て作業は、ウレタンクッションと表皮材の両側に埋め込んだ金属ワイヤーを金属リングで固定していく「ホグリング工法」が主流なのですが、これは重い器具を使使う作業なので、腕に負担がかかり、ときに事故も招くことから、ファスナーシステムの組み立て作業に目が向けられてきました。 米国では60~70%の乗用車に採用されており、日本でも約20%と実績を伸ばしています。 |
Q | なぜ、固定するのに面ファスナーがいいのでしょうか? |
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A |
面ファスナーは軽い力でもくっつきやすいので、重い器具を使わずに簡単に作業ができます。作業時間の短縮によって生産性が上がり、コストダウンが可能になるのがメリットです。 |
Q | それは画期的!でも、簡単にくっつく分、はずれやすそうな気が…。 |
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A |
面ファスナーは水平方向や垂直方向のひっぱりに強い特長があるので、はずれやすいといったクレームはありません。どれくらい強いのか、拡大写真を見てみましょう。レギュラーの<マジックテープ>のカギが輪状のループにひっかかっていますが、このカギがフック状の形をしているのに対して、<マジロック>のカギはプラスチック製で矢尻タイプ。しかも、矢尻が2段になっています。ループにひっかかる面積を多くすることで、からみつく力を大きくしているのです。 |
Q | なるほど。接着性はバッチリですね。 |
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A |
2005年には自動車リサイクル法が制定され、座席シートについてもウレタンクッションと表皮材を素材ごとに分別する可能性が出てきます。<マジロック>は面ファスナーの特長を生かしてシートの分別作業を簡単にし、リサイクル率の向上を実現するシステムを考えています。 |
Q | 今後の展開は? |
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A |
<マジロック>は地球環境の保護にも結びつくエコフレンドリーな製品です。世界の自動車業界に羽ばたく面ファスナーとして、自信を持って販売していきたいと思います。また、自動車以外でも、新幹線ひかりレールスターの座席シートや、チャイルドシートの採用が始まっており、今後も販売のチャンスを広げていきたいですね。 |