製品のはてな?

<クラロンK-Ⅱ>

<クラロンK-Ⅱ>はどこが画期的なんですか?

水を一切使わない製造方法

Q <クラロンK-Ⅱ>はどんなところが画期的なんですか?
A
ビニロンと<クラロンK-Ⅱ>の製造方法

では一般的なビニロンと比べてみましょう。<クラロンK-Ⅱ>は、ビニロンと同じようにポリビニルアルコール(以下ポバール)を原料とする合成繊維ですが、ビニロンと違って製造工程で水を一切使いません。図のようにビニロンは、ポバールに水を加えて加熱溶解して水溶液とした後、小さな穴をもつ紡糸ノズルから高濃度芒硝(ぼうしょう)水溶液中に吐出させ、浸透圧の原理で水分を抜いていきます。水分は表面から抜けていくため、表面層は急速に固まり固い皮ができ、内側にはスポンジ状態というように繊維断面に密度ムラが生じます。結果、断面がゆがんだスキンコア構造をもつ繊維となるのです。一方<クラロンK-Ⅱ>では、一切水を使いません。ポバールを有機溶剤(DMSO)で加熱溶解後、ノズルを通して冷たいメタノール中に紡糸します。瞬時にポバール溶液はゲル状態となり、全体から均一に溶剤が抜けていくので、均一な構造の丸断面繊維ができるのです。ここがビニロンとの決定的な違いです。

原料ポバールの特徴を繊維に反映

Q 製造方法の違いによって、繊維にどんな差ができるんですか?
A

<クラロンK-Ⅱ>の水を一切使わない製造方法により、通常のビニロンより「けん化度」の低いポバールから製造することが可能になりました。原料であるポバールの性質は「けん化度」で区別されていて、分子構造中、水酸基(OH基)が多いほど「けん化度」が高いといいます。
けん化度の低いポバールを使うことにより、20℃程度の常温の水でも溶ける繊維が製造可能となりました。

Q <クラロンK-Ⅱ>はどんな製品に使われていますか?
A

ウールや綿などあらゆる繊維素材と組み合わせ、独特な機能を付与します。最終製品では<クラロンK-Ⅱ>が水に溶けてなくなるのでその分軽くなり、かつ、ふんわりとした感じや伸縮性が得られます。