アクリルと聞くと「硬い」イメージを持ちませんか?<パラペット>SAは、アクリルでありながら柔軟性を併せ持つ軟質アクリル樹脂。なぜそんな特長に仕上がったのでしょうか?
Q | <パラペット>SAってどれくらいやわらかいんですか? |
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A |
シート形状ならデスクマットと同じくらい曲げることができます。色も透明なので、見た目もデスクマットを想像してもらうとわかりやすいですね。もともと<パラペット>SAはペレットと呼ばれる米粒の形状をしています。これがユーザー先でさまざまな形に成形されるのです。 |
Q | なぜ硬いアクリルにやわからさを出せたのでしょうか? |
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A |
その理由は原料にあります。<パラペット>SAは一般のアクリル樹脂と異なり、アクリル系ゴムを主成分としています。アクリル系ゴムは粘性が高い上べたつきやすく、一般に成形材料として使いにくい原料なんです。そこで、分子構造を工夫することによって性能や成形のしやすさを向上させ、やわらかさを併せ持つアクリルを生み出しました。 |
Q | アクリル系ゴムの欠点を抑えて特長を引き出したわけですね。やわらかさ以外の特長は? |
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A |
アクリルならではの透明性を発揮できるところです。透明度を強調したいものなどにぴったりですね。屋外の看板に使われるように、アクリルは紫外線などに対する耐候性に優れているため、変色を防ぐこともできます。さらに、<パラペット>SAはABSなどの他樹脂との相性が良いので、2種類の樹脂の同時成形や加工が簡単にできるのです。ユーザーから扱いやすいと評価を得ている点ですね。 <パラペット>SAの特長
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Q | 私たちの身の回りでは、どんなところで活躍していますか? |
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A |
建材向けとして目地材や手すりに使われています。さらに、窓枠などのパッキンへも徐々に採用が進んでいます。これは、枠と枠との間にできるわずかなすき間を、やわらかさを発揮した<パラペット>SAの部材がぴったり埋めるというものです。市場規模が大きいシート・フィルムとしても塩ビ代替材料として採用され始めました。また、雑貨用途も透明性を生かしてさまざまな製品に使われています。 |
Q | 透明度を生かしたり、やわらかさを生かしたり、用途に応じて持ち味を発揮しているんですね。 |
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A |
ええ。さらに<パラペット>SAは燃やしても有害な物質を出さないので、環境に配慮した素材として塩ビ代替にも期待ができるのです。 |
Q | 今後の展望は? |
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A |
まだ採用用途の少ないフィルム分野においては、市場ニーズを探り、販路を開拓することが課題です。 |