新日鐵化学株式会社(社長:大和屋隆喜)は、電子材料事業分野における主力商品として、携帯電話、液晶ディスプレイその他の回路基板材料向けに、無接着剤FPC用銅張積層板(Copper-Clad Laminate: CCL)「商品名:エスパネックス」を生産・販売していますが、このほど、株式会社クラレ(社長:和久井康明)の液晶ポリマー(LCP)フィルム(商品名:<ベクスター>)を使用した、新しいタイプのCCL「エスパネックス Lシリーズ」を両社で共同開発いたしました。
「エスパネックス Lシリーズ」は、<ベクスター>を絶縁層に用いることで、優れた高周波領域での電気特性を実現するとともに、従来タイプと比較して、低吸水率・高寸法安定性、高熱伝導率等優れた特性を可能としたものです。
現在、将来性が有望視されているブルートゥース(次世代短距離無線通信規格)、非接触型ICカードなど、近距離通信回路や高周波回路基板、およびパッケージ用基材向けなどに積極的にサンプルワークを行い、需要の開拓を進めてまいります。平成13年度下期から出荷を開始し、平成14年度中に、1万m²/月の販売を目指します。
製品構成(標準品)
両面品
銅箔18μm フィルム50μm
新日鐵化学は、電子材料事業の順調な拡大にあわせて、平成14年末までに、無接着剤FPC用銅張積層板「エスパネックス」の生産能力を、現在の約2.5倍となる300万m²/年へ増強することを決定しており、現在すでに、先端材事業部木更津製造所において、建設工事が進められています。
一方、同事業分野へ向けた研究開発投資も積極的に行う計画としており、今回の新商品の開発もその一環であります。
今後とも電子材料事業を主力事業のひとつとして、さらに強化・育成していく方針であります。
液晶ポリマーフィルム<ベクスター>について
全芳香族ポリエステル系の液晶ポリマーを主原料としたフィルム。(株)クラレが独自のインフレーション製膜法により開発し、耐熱性、低吸水性、寸法安定性、優れた高周波特性を兼ね備えています。