環境配慮型面ファスナー
当社は、<マジックテープ>や<フリーマジック>の商標で展開している織製面ファスナーで、従来使用している有機溶剤系の補強材に代わる新たな補強材を開発しました。これにより7月30日から、また残る一部特殊銘柄品も10月(予定)から、当社は織製面ファスナーの生産を有機溶剤を使用しない“環境配慮型”製品に全面的に切替えます。
<マジックテープ>などの織製面ファスナーは、係合力(フックとループが引っ掛かって留める力)の維持や、洗濯時の糸のほつれによる耐久性の低下を防ぐため、通常裏面に補強材としてポリウレタンを使用しています。従来使用しているポリウレタンは濃度などを調整するために酢酸エチルなどの有機溶剤を用いる必要がありました。
環境面への配慮から溶剤に水を用いるポリウレタンの開発が種々の分野で進んでいますが、従来の水分散型ポリウレタンを織製面ファスナーに使用した場合、面ファスナー自体が固くなったり、耐水性の低下による糸のほつれが発生するなど、従来の品質が維持できませんでした。この問題に対し、当社が有するポリウレタンの原料から製品までの様々な技術・ノウハウを活用し、織製面ファスナーの補強材に使用しても従来品の品質を維持できるポリウレタンを新たに開発しました。またこの新たなポリウレタンを使用することにより、耐久性や耐黄変性、工業洗濯時の耐変色性の向上が図れることから、7月30日出荷分より順次有機溶剤を用いない製法に切替えます。
また残る特殊品(高周波接着対応、難燃グレード)についても同様に、有機溶剤を用いない別のタイプの水分散型ポリウレタンを既に開発し、使用の目処がほぼ立っていることから、10月には生産を切替える予定です。
当社は今年度より始まった中期経営計画で目指す“独自技術によるエコフレンドリー企業”という企業コンセプトを実現するため、環境により配慮・貢献する製品を開発し、今後も一層展開していきます。
対象 | <マジックテープ>・<フリーマジック>など織製面ファスナー全般 |
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時期 | 通常品:7月30日 出荷分 特殊品(高周波接着対応品など):10月(予定) |
3件出願中(内、1件は海外も出願中)
衣料・手芸用…30%
靴・鞄類…10%
工業用(車両コンテナーなど)…35%
その他(メディカル、雑貨など)…25%
今回の切替えにより、工業洗濯時の耐変色性が向上したことから、今後リネン分野や業務用介護衣料・用品分野へ積極的に拡大を図る。