(株)ガードナー(本社:埼玉県加須市)と(株)クラレ(本社:大阪市)は共同で、半導体工場などのクリーンルームに要求される低い発塵性を実現しながら、着心地を格段に向上させたインナーウエア(作業衣の内側に着る下着)を開発しました。(株)ガードナーでは、半導体工場、薬品工場、食品工場など清浄空間での作業が多い業種に向け、新開発素材を用いたインナーウエア製品(ブランド名:アドクリーン)の発売を2002年1月から開始します。なお、この新製品は2001年12月5日~7日に開催される「セミコン・ジャパン2001」で一般公開されます。
一般に半導体工場では、オペレーターは発塵性の少ないクリーンルームウエアの中に、やはり発塵性の少ないポリエステル100%のインナーウエアを着用しています。しかし、ポリエステル100%のインナーウエアは、その繊維の特性から汗や水分をほとんど吸収せず、肌と繊維の間に水分が膜状に残ってしまうために、肌にベタ付くなど不快感が残ります。半導体工場のように精密機器を扱う分野では、良好な作業環境の提供の有無が品質の安定など生産効率面にも大きく影響するだけに、快適なインナーウエアの開発が求められていました。
このたび共同開発したインナーウエアは、クラレが独自技術で<エバール>樹脂を繊維化した<ソフィスタ>と光触媒反応と化学吸着反応のダブルの消臭機能を持つ<シャインアップ>、及びポリエステルの3種類の素材を用いています。従来のポリエステル100%と同等の低い発塵性能を有しながら、<ソフィスタ>、<シャインアップ>の高い機能が付加されたことにより、オペレーターにとって快適なインナーウエアとなっています。<ソフィスタ>は、汗を繊維の表面で素早く吸収・拡散する性能に優れ、また<シャインアップ>は、合成繊維でありながら嫌な臭いのもとであるアンモニアなどを分解して消臭することから、クリーンルームウエア着用時の快適性をより高めます。また高い清浄度が要求されるクリーンルームにおける人体由来の化学汚染物質(アンモニア、アセトアルデヒド、イソ吉草酸、ノネナールなど)を低減させる効果も期待できます。
<ソフィスタ>、<シャインアップ>、ポリエステルを用いた編物
混率 | <ソフィスタ> 20%、<シャインアップ> 25%、ポリエステル 55% |
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素材表示 | 指定外繊維<ソフィスタ> 20%、ポリエステル 80% |
発売ブランド名 | アドクリーン |
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発売目標 | 初年度 30,000 着(上下セット) |
製品分類 | シャツ・長袖/半袖、パンツ・長裾/短裾、サイズ・各SS~3L |
価格 | 8,000~10,000円(各ユーザー入り標準価格:消費税別) |
発売日 | 2002年1月 |
会社名 | 株式会社ガードナー |
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社長 | 矢澤 将之 |
資本金 | 3,000万円 |
本社 | 埼玉県加須市下三俣263-1 |
業務内容 | クリーンルーム用ウエア、薬品・食品向けウエア及び関連商品他の製造、販売 |
会社名 | 株式会社クラレ |
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社長 | 和久井 康明 |
資本金 | 890億円(01年9月末) |
本社 | 大阪市北区梅田1-12-39 |
業務内容 | 合成繊維・樹脂・化学品他の製造、販売 |