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クラレはこのたび、化学的中和反応と光触媒反応のふたつの消臭メカニズムを持つ繊維<シャインアップEX>を使用した、新タイプの剣道防具を開発しました。クラレトレーディングを通じて、1月20日より受注販売を開始します。

今回発売する剣道防具は、面、胴、甲手、タレを含む防具一式で、全てのキルティング（刺子）部分に消臭・ひかり抗菌防臭繊維<シャインアップEX>を使用しています。特に汗臭さの残る面と甲手のキルティング（図1参照）部分の素材に、<シャインアップEX>を使用したことにより、防具特有の不快なニオイを軽減します。

今後、一般市販用の規格品へも製造・販売を拡大していく予定です。

剣道は身近な武道として年齢・性別を問わず広く親しまれていますが、防具から発せられる不快な“ニオイ”に閉口する剣道家は多いようです。特に肌に直接触れて汗を吸い込む“面”や“甲手”は、刺繍が施されていたり色落ちしやすいため洗濯が難しく、剣道防具の中でも“ニオイ”対策が強く求められていました。

<シャインアップEX>は、当社が拡大を図っている高次差別化繊維で、セラミックス系の特殊消臭剤を芯鞘複合繊維（芯・ポリエステル、鞘・ナイロン）の鞘成分に練りこんで繊維化したものです。従来品は主に綿素材が使われていますが、綿部分はニオイ成分をいったん吸着するものの、簡単に再放出してニオイを発生させます。<シャインアップEX>は、“化学的中和反応”によりニオイ成分を化学的に吸着して再放出を抑え、“光触媒反応”でこのニオイ成分を分解し、消臭・ひかり抗菌防臭作用を持続させる働きがあります。このため、綿混素材でも消臭性能が発揮されます。消臭剤は繊維に練りこんでいるため、洗濯を繰り返しても効果が持続します。

今回開発した剣道防具は“面”、“甲手”、“胴”、“タレ”のキルティング部分を構成する（1）側地、（2）毛氈（*1）、（3）詰綿、（4）側地、4つの部位全てに<シャインアップEX>を使用することで、効果的な消臭機能を付与しています。

当社は、機能性繊維の分野で、今後も高次差別化素材の開発を進めるとともに、素材力を生かした製品分野への展開も積極的に進めてまいります。

*1 毛氈（もうせん）

獣毛をフェルト状に加工して織物のようにした布。