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2004年1月4日(日本時間)、米航空宇宙局(NASA)が打ち上げた無人火星探査車「スピリット」が、火星着陸に成功しました。この「スピリット」が火星に着陸する直前に一気にふくらみ、火星表面で何度もバウンドしていたエアバッグにクラレのポリアリレート繊維<ベクトラン>が使用されています。

<ベクトラン>は1990年にクラレが世界で初めて工業化したポリアリレート系スーパー繊維です。強度は通常の衣料用ポリエステルの約6倍で、スチール繊維と同等の強さを有しています。しかし鉄に比べると1/5~1/6程度と軽く、また耐熱性と低温特性にも優れています。特に、マイナス100℃を超える低温環境の宇宙空間においても性能が損なわれません。このような特性が評価され火星探査車のエアバッグとして採用されました。また、日本でも昨年“成層圏プラットホーム構想”の一環として行われた、成層圏での飛行船滞空実験に<ベクトラン>の特性が評価され、飛行船の本体素材として採用されました。

当社は今後も独自技術を生かした、独自素材の開発を進め、航空・宇宙分野の発展に貢献していきたいと考えています。