当社は世界的なLCD(液晶ディスプレイ)の急激な需要拡大と大画面化へ対応するため、LCD用偏光フィルムのベースとなるポバールフィルムの生産設備を増設(年産+1,500万m²・増設後4,600万m² 完成予定2005年4月)することを決定いたしました。
ポバールフィルムは、透明性、染色性、帯電防止性、延伸性などに優れ、LCDの表示品位を左右する主要部材である偏光フィルムのベースフィルムとして、最も適した素材です。当社は70年代の液晶電卓の時代から今日まで、世界でほぼ独占的にこの素材を供給しており、原料となるポバール樹脂からフィルムまでの一貫生産による安定した品質と供給体制が高く評価されています。従来ポバールフィルムは、クラレ西条(株)(愛媛県西条市)内の生産設備で全量生産していましたが、今回の新設備はクラレ玉島(株)(岡山県倉敷市)内に設置し、複数拠点での生産とすることでさらに安定供給体制を強化します。
LCD製造ラインの大型化や大型(30-40inch)テレビに対応するため、偏光フィルムメーカーは偏光フィルムの生産設備の大型化(広幅化)を検討しており、今回の設備は、この大型化の流れに効率よく対応するための設備です。品質面においても、大型化に伴うより高度な品質要求に応えるため、高品質のフィルムを生産していきます。この広幅化・高品質化がLCDの収率向上に寄与し、一層の市場拡大につながるものと期待しています。
LCD市場は、ノートパソコン、液晶モニタの需要拡大に加え、液晶テレビの急激な立ち上がりにより、2003年には3兆円を超える見込みです。今後も液晶テレビの台数増加や画面の大型化、モニタ用の継続的拡大などにより年率30~40%近い伸びが続くと見られています。
こうした市場動向を背景として、当社では光学用ポバールフィルムの需要量も今後年率30%で拡大していくと予想しております。そのため今回の増設は、次期増設も視野に入れた設備レイアウトとし、需要拡大にスピーディーな対応ができる体制とします。当社は、今後も液晶用偏光フィルム向けポバールフィルムのリーディングカンパニーとして、新技術の開発や品質向上を積極的に進め、LCDの市場拡大に貢献していきたいと考えております。
場所 | クラレ玉島(株) 岡山県倉敷市玉島乙島7471番地 | ||||||
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生産能力 |
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設備投資額 | 約30億円 |
(米ディスプレイサーチ予想)