当社は、このほどアプリックス社から、プラスチック成形品に面ファスナーのフック材を一体成形できる特許技術<インターモールドフック(IMH)>(仮称)を導入することにし、ライセンス契約を締結しました。6月中旬より日本国内のプラスチック成形メーカーにライセンス供与を開始します。
当社は織製面ファスナー<マジックテープ>、押し出し成形面ファスナー<マジロック>を中心とする多様な面ファスナーを、オムツからカーシート、航空宇宙分野まで幅広い用途で展開しています。今回、技術導入するIMHは面ファスナーの可能性をさらに広げるものと期待しています。
IMHは、プラスチック製品の元金型にフックを成形する金型を組み込むことで、製品成形時にフックも同時に成形できる技術です。また、適用できる樹脂もポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、アセタール、熱可塑性ウレタン(TPU)など多様で、単一素材で成形体本体とフック材を生産できるため、マテリアルリサイクルが可能になり環境への対応も容易になります。しかも、既存の金型を利用したフック金型を組み込む技術であるため、元金型を一から作成する必要がなく金型コストを抑えることができます。
現在、プラスチック成形体に面ファスナーを取り付ける場合、裏面に粘着加工を施し接着する方式が主流です。この方式の場合、粘着剤が高温多湿などの条件下では剥がれやすくなる、成形体の曲面では安定した接着力を得られないなどの問題がありました。プラスチック成形時に一体成形するIMHでは粘着剤を使用しないため、面ファスナーの剥がれに起因する品質上の問題はありません。また、粘着剤付きの面ファスナーの材料費や貼り付け加工費が不要になりコスト削減にもつながります。
当社は、フックの一体成形を希望するお客様から、まず、使用用途に合わせ、係合強力、剥離耐久性、材質、ループ材との適性などを確認し、その後、試作、生産開始まで技術指導を行い、ライセンスを供与します。また、同時に、当社としても独自の製品販売を展開することも視野に入れています。
当社は織製面ファスナー・押し出し成形面ファスナーのラインアップに、このプラスチックフック一体成形品を加え、総合面ファスナーメーカーとしてさらなる事業拡大を図るとともに新規技術の開発を積極的に進めていきます。
2004年6月中旬
初年度 40件、次年度 100件
会社名 | アプリックス社 |
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事業内容 | 面ファスナー材製造販売 |
本社所在地 | 仏国(パリ) |
社長 | Mr. J-P Billarant |
売上規模 | 154億円(2002年) |