当社は、EVOH樹脂(当社商標:<エバール>)の世界的な需要拡大に対応するため、エバルカ社(アメリカ)に年産24,000トンの設備(増設後生産能力:年産47,000トン・2006年3月完工予定・投資額:150百万米ドル)を増設することを決定しました。
<エバール>は当社が1972年に世界で初めて開発・事業化した高機能性樹脂で、プラスチックとしては最高レベルのガスバリア性(汎用ポリエチレンの約10,000倍)を有します。優れた気体遮断性を生かし、食品の保存性に優れた包装材料として高い信頼を得て、食品包装材料分野を中心に事業を拡大させてきました。近年では食品包装以外にも、軽量化や成形加工を容易にしながら燃料ガスの排出規制に対応できるため、自動車ガソリンタンクへの採用が急速に広がっています。さらに、床暖房用パイプなど住宅・生活関連分野などを含めた非食品分野も伸長しており、当樹脂の需要は日本・米国・欧州を中心に年率10%以上の拡大を続けています。また、今後は生活スタイル・生活水準の向上が予想されるアジア等の地域での需要拡大が期待されています。
現在、当社は岡山事業所、エバルカ社、エバールヨーロッパ社(ベルギー)の日米欧3極で年産合計45,000トンの生産設備を有していますが、現在進行中のエバールヨーロッパ社増設に続く今回のエバルカ社増設により、2006年度には年産合計81,000トンの生産能力に拡大します。
現状 | 増設計画 | 完工予定 | 増設後 | |
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岡山 | 10 | - | 10 | |
エバルカ社 | 23 | +24 | 2006年3月 | 47 |
エバールヨーロッパ社 | 12 | +12 | 2004年9月 | 24 |
合計 | 45 | +36 | 81 |
(千トン/年)
<エバール>事業は、4年目を迎えた当社の中期経営計画“G-21”の中で、世界の中で独自性・競争力を発揮する“基幹事業”の1つと位置付け、拡大を図ってきましたが、今後とも当社は、市場のニーズに十分に対応できる新製品の開発、新市場の創造に努め、バリア関連事業領域でのグローバルリーダーの地位を確固たるものにしていきます。
場所 | 米国 テキサス州 パサディナ | ||||||
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生産能力 |
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設備投資額 | 150百万米ドル |
総需要計(単位:千トン)
食品包装材 70%
(マヨネーズ・ケチャップ・茶葉・ジュース・フルーツ・生肉・加工肉など)
非食品包装材 30%
(ガソリンタンク・床暖房用パイプ・冷蔵庫の真空断熱板など)
(1) 正式名称 | EVAL COMPANY OF AMERICA |
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(2) 本社 | 米国 テキサス州 |
(3) 生産能力 | 年産23,000トン |
(4) 社長 | Nobuya Tomita |
(5) 資本金 | 415万US$ |