当社は高いガスバリア性と柔軟性・弾力性を持つ新規EVOH系樹脂<エバールSP>を開発し、昨年12月より岡山事業所にて生産設備(年産能力5,000トン)の建設を進めておりましたが、このほど工事が完了し、本日より稼動を開始しましたのでお知らせいたします。
<エバールSP>は、あらゆるプラスチックの中で最高レベルのガスバリア性(気体を透過させない性質)を持つEVOH樹脂<エバール>をベースとし、柔軟性・弾力性、優れた加工性を付与した新素材です。食品の鮮度を保つ各種包装材料をはじめ、工業材料分野にも今までになかった大きな用途が期待されます。
当社は1972年、<エバール>の工業化に世界で初めて成功して以来、ケチャップ・マヨネーズボトル、香辛料チューブなどの食品包装材料や、自動車ガソリンタンク素材に用途開発を進めてきました。日本だけでなく米国・欧州にも事業拠点を構築し、世界市場の拡大に努め、そのシェアは70%に達しています。
今月19日には欧州の増強設備が稼動を開始し、現在世界3拠点での生産能力は年間57,000トンに上ります。さらに米国の設備も倍増(+24,000トン)することをすでに決定しており、2006年春には年間81,000トンの規模となります。
今回生産を開始した<エバールSP>は、<エバール>が持つ高度なガスバリア性を生かしながら、従来には無かった柔軟性・弾力性を持たせることで、以下のような未開拓の食品包装分野への対応が可能です。
<エバールSP>は当社ガスバリア材事業の世界を大きく拡げる新素材であり、欧州に続く米国での<エバール>大幅増強を支える戦略素材として位置付けています。
当社岡山事業所は年産10,000トンの設備能力を持つ<エバール>生産工場を含め、ポバール樹脂・ビニロン繊維を生産する酢酸ビニル系化学事業の一大拠点であります。同事業の世界戦略を担うマザー工場として、今後も新たな技術・素材を生み出し、世界に発信していきます。
場所 | 当社 岡山事業所 (岡山市南区海岸通1-2-1 事業所長:坂井 俊英) |
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生産能力 | 年産 5,000トン |
設備投資額 | 約10億円 |
2005年度 5,000トン | 売上予想 50億円 |
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2007年度 10,000トン | 売上予想100億円 |
拠点 | 現状 | 2006年春 | 備考 |
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日本(岡山) | 10,000 | 10,000 | |
米国(テキサス) | 23,000 | 47,000 | 2006年3月 +24,000増強予定 |
欧州(ベルギー) | 24,000 | 24,000 | 2004年10月 +12,000増強 |
合計 | 57,000 | 81,000 |
以上