スチームジェット製法による不織布商品群
不織布及び不織布製品の製造・加工及び販売会社であるクラレクラフレックス(株)(本社:大阪市、社長:炭田 信明)は、高速加熱蒸気を用いたスチームジェット技術を世界で初めて導入し、さらに(株)クラレ独自の素材を用いてこれまでにない特性・機能を持つ新しいタイプの不織布の開発に成功、<フレクスター>(仮称)のブランドで10月1日から発売します。
今回のスチームジェット技術は、三菱レイヨン・エンジニアリング(株)(本社:東京都、社長:増田 繁明)が開発した世界初の設備を導入したもので、不織布成形・加工技術は両社の共同開発(特許出願中)となるものです。このスチームジェット技術は、蒸気の熱と噴流の同時作用によってこれまでとは異なる新規な不織布を製造でき、また、素材や加工条件の選択によっても、より特徴のある不織布を製造できる技術です。
今回開発した<フレクスター>は、クラレの独自素材であるエバール繊維<ソフィスタ>・水溶性繊維<クラロンK-Ⅱ>・潜在捲縮繊維(ミクロクリンプ)を原料とし、世界初の技術を採用してその独自原料の持つ特長を生かした不織布です。親水基をもつ<ソフィスタ>原綿は、特異な湿熱融着性を有しているため、嵩高で高強力な新しいタイプの不織布ができます。<クラロンK-Ⅱ>では、水に溶ける性質を利用し水解性の不織布が可能になります。また、潜在捲縮繊維(ミクロクリンプ)原綿を用いると、高速で安定的に高伸縮不織布が生産できます。
スチームジェット製法による不織布の用途例
具体的な性能・用途としては、(1)高度な伸縮性と自着性を活かした包帯、衛生材料、(2)ソフト性と緩衝性を持ちながら抜群の通気性を持つ下着、サポーターなどのクッション材、(3)親水性と親油性を併せ持ち毛羽が出ない高性能インク吸収体、(4)高い空隙率に加え形態安定性に優れた自動車用などに用いる吸音・断熱材、(5)難燃性に優れたボード状軽量構造材などがあり、原料と製造条件の組合せにより多様なバリエーションが可能です。さらには、用途に応じた高度な成形加工や接着加工も可能です。また、接着剤を使用せず省エネルギーで生産でき、しかもリサイクルが可能なので、環境対応性に優れています。
なお、当製品は「アジア国際不織布産業総合展」(略称:ANEX2006、会期:2006年5月24日~26日、会場:東京ビッグサイト)に出展する予定です。
高吸収材 | インクジェット用吸液体(親水性・親油性がともにある、低毛羽) |
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クッション材 | ブラジャー・パッド、ヘルメット(通気性、吸水性、肌にやさしい) |
伸縮材 | 伸縮自着包帯、衛材部材(高伸縮弾性、自着性、ケミカルフリー) |
低毛羽不織布 | クリーンワイパー、医療スポンジ(耐薬品性、低毛羽) |
吸音断熱難燃材 | 自動車内装用、建築用、家電用(環境対応性、難燃性、強度) |
200円~2,000円/m²
初年度 | 2億円 |
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3年後 | 10億円 |
5年後 | 20億円 |
設立 | 2005年4月(前身は1971年設立のクラレチコピー(株)) |
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資本金 | 1億円 |
代表取締役社長 | 炭田 信明 |
従業員数 | 133名(2005年12月1日現在) |
本社 | 大阪市北区梅田1-12-39 新阪急ビル |
事業内容 | 不織布及び不織布製品の製造・加工及び販売 |
設立 | 1975年8月 |
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資本金 | 12億円 |
代表取締役社長 | 増田 繁明 |
従業員数 | 650名 |
本社 | 東京都港区港南1-6-41(品川クリスタルスクエア) |
事業内容 | 各種プラント、環境、水処理などの設計、施工、保守 |