当社は、本日の取締役会決議により、RPTV(リア・プロジェクション・テレビ)用のスクリーン事業から撤退することを決定いたしましたのでお知らせします。
概要は下記の通りです。
記
当社のRPTVスクリーン事業は、1988年にフレネルレンズの生産を開始して以来、当社メタクリル樹脂関連の光学部材事業として運営してまいりました。
RPTV(リア・プロジェクション・テレビ)は、コストパフォーマンスの高い大画面テレビとして、北米・中国を中心に市場を拡大してきました。2003年ころまではCRT(ブラウン管)タイプが主流となってきましたが、近年は液晶テレビやプラズマテレビ等との競合下にあって、より高精細なMD(マイクロディスプレイ)タイプへの急速な方式転換が進み、CRTタイプ向けのスクリーンは需要が急減しました。
当社はこの動きに対応すべく、MDタイプ向けの新規スクリーンを開発・発売し、顧客の品質・価格要求を満たす供給体制の構築に注力してまいりました。しかしながら、ますます高度化する市場ニーズに応えつつ、厳しい競合激化の中で将来にわたり事業採算性を確保する見込みが得られないと判断し、現行のCRTタイプおよびMDタイプ向けスクリーン事業からの撤退を決定するに至りました。
今後は液晶ディスプレイ向け部材の事業拡大、次世代RPTV向け新規部材の開発など、光学部材分野に経営資源を重点投入していく所存です。
RPTV(CRTタイプ・MDタイプ)用光学スクリーン(レンチキュラーレンズおよびフレネルレンズ)の製造・販売
売上高 | 約 110億円(対連結売上高 約 3%) |
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経常利益 | 約 -18億円(対連結経常利益 約 -6%) |
当事業に属する従業員約120名については原則としてグループ内の再配置を予定しています。
また生産設備については、光学関連事業に一部転用を図る予定です。
2006年12月まで、供給責任のある顧客向けの生産を継続した後、生産停止します。
本事業撤退に伴い、2006年度において、損失が約 35億円発生する見込みです。
なお現時点において、当社の平成19年3月期の業績予想(2006年4月28日公表)は変更いたしません。
以上
RPTVとはCRT、LCDなどの小型ディスプレイの映像を、ランプとレンズを用いミラーを介してスクリーンの背面に拡大投射する方式のテレビで、比較的低コストで画面の大型化が可能な点が特徴です。
MD(マイクロディスプレイ=LCD、DLPといった1インチ以下のごく小さいディスプレイ)を映像源とする方式をMDタイプ、CRT(数インチの大きさで赤、緑、青の3本)を映像源とする方式をCRTタイプと総称しています。
当社のスクリーンは、この背面に投射された映像を正面のテレビ視聴者に対して、色彩や解像度を高くし、明るさを均一化する光学的機能を備えるものです。