当社は、PVB(ポリビニルブチラール)樹脂[商標名:Mowital<モビタール>]の需要拡大に対応するため、欧州現地法人クラレヨーロッパ(Kuraray Europe GmbH 所在地:ドイツ・フランクフルト 以下KEG)のPVB樹脂生産設備を増設(年産10,000トン)し、総生産能力を年産39,000トンに拡大します。本増設工事は、2009年7月に完了する予定です。
PVB樹脂は、当社が1950年に世界で初めて工業化したPVA(ポリビニルアルコール)樹脂を原料として作られます。現在では、建築用窓ガラス、自動車フロントガラスの破壊・飛散を防止する合わせガラス中間膜用のフィルムをはじめ、塗料・インク分野などで需要が拡大しています。
当社は、2001年にClariant AG(クラリアント)社からPVA樹脂・PVB樹脂事業を、さらに2004年にHT Troplast(トロプラスト)社からPVBフィルム事業を買収し、KEGにて原料PVA(ポリビニルアルコール)樹脂からPVB樹脂、同フィルムに至る一貫体制を確立し、“酢ビ・ポバール系事業”のダウンストリーム展開を強化・拡大しています。
PVB樹脂は上記買収後、欧州の建築用合わせガラス向けを中心とする旺盛な需要に対応し、設備改造(デボトルネッキング)による能力増強を進めてきました。今後も引続き着実な成長が見込まれることから、このほど新ラインの増設に踏み切ることとしました。
クラレグループは今後とも、市場のニーズに的確に対応できる新製品の開発、新市場の創造に努め、“酢ビ・ポバール系事業”の強化・拡大に注力していきます。
生産能力 | 現状29,000トン/年→増強後39,000トン/年(+34%の能力増強) |
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場所 | フランクフルト(Frankfurt)(ドイツ) |
投資額 | 26百万ユーロ |
完工時期 | 2009年7月 |
年月 | 年産能力(増加分) | 備考 |
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2001年12月 | 16,000トン | (買収により取得) |
2003年 | 20,000トン(+ 4,000トン) | 設備改造 |
2005年 | 22,000トン(+ 2,000トン) | 設備改造 |
2006年 | 25,000トン(+ 3,000トン) | 設備改造 |
2007年 | 29,000トン(+ 4,000トン) | 設備改造 |
2008年2月着手 2009年7月完工 | 39,000トン(+10,000トン) | 新ライン増設 |
社名 | Kuraray Europe GmbH |
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資本金 | 31百万ユーロ(クラレ 100%出資) |
社長 | Dr. Gerd Lepper(ゲルド・レッパー) |
本社 | ドイツ フランクフルト |
事業内容 | PVA樹脂、PVB樹脂およびフィルムの生産販売、繊維製品、化成品、歯科材料の輸入および販売 |
従業員数 | 約540名 |