株式会社クラレ
株式会社クラレ(社長:伊藤 文大 本社:東京都千代田区)は、酸素を吸収することでガスバリア性能を向上させた機能性樹脂<エバール>APシリーズを開発、キユーピー株式会社(社長:鈴木 豊 本社:東京都渋谷区)の新商品への採用を機に、用途開発、マーケット開拓を加速させてまいります。
<エバール>APシリーズについて
開発のコンセプト
プラスチック製包装材の特長である透明性・柔軟性を保持しつつ、金属缶に匹敵する酸素遮断性能を発現することを目的に開発。
概要
ガスバリア性に優れたEVOH樹脂(エチレン・ビニルアルコール共重合体、当社商標:<エバール>)に、独自の酸素吸収剤を配合した機能性樹脂。
容器部分に<エバール>APシリーズを使用した「キユーピーハーフ」(ディスペンパック)
主な特長
- 長期間にわたり、外部からの酸素の侵入を遮断。
- <エバール>と同等の熱成形性、透明性。
酸素透過量の比較 | 一般的な ポリエチレン | 従来品 <エバール> | <エバール> APシリーズ |
酸素透過量 | 900.00 | 0.09 | 0.00 |
単位:cc/day
- ※1 厚み20μmのフィルムを、温度20℃、湿度65%の条件で測定した場合(クラレ調べ)
- ※2 <エバール>APシリーズは、酸素吸収剤の効果が無くなった後、従来品<エバール>と同等の酸素遮断性能になります。
キユーピー(株)の新商品について
商品名
「キユーピーハーフ」(ディスペンパック)
商品開発の背景
- 本商品は通常容量の樹脂製ボトルに比べ容器の厚さが薄く、従来の<エバール>よりもさらに優れた酸素遮断性能が必要でした。
- 従来のEVOH樹脂を使用した場合、賞味期間は約4ヶ月にしかならず商品化できませんでした。<エバール>APシリーズの採用により賞味期間7ヶ月が実現し、商品化できました。
なお、キユーピー(株)の新商品は、8月20日から全国へ出荷されています。
※ キユーピー(株)によるプレスリリース「キユーピーハーフがディスペンパックで新登場」はこちら
【ご参考】
<エバール>について
- EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合体)樹脂の当社商標。
- 1972年に当社が世界で初めて工業化した、プラスチックの中で最高レベルのガスバリア性を持つ機能性樹脂。
- 酸素を遮断して内容物の劣化を防ぐことから、マヨネーズやケチャップのボトルなど各種食品包装材に普及。ガラス製容器を代替することで軽量化を実現し、輸送コストの削減に貢献。
- 揮発ガソリンの漏洩を防止することから、自動車用ガソリンタンクの樹脂化を可能に。自動車の軽量化および省エネ化に貢献。
- 壁紙や床暖房用パイプ、冷蔵庫用真空断熱板など、用途展開を広げています。
- 日本(岡山)、米国(ヒューストン)、ベルギー(アントワープ)の3拠点で生産し、当社の世界シェアは65%に達しています。
- EVOH樹脂は、当社を含めて世界で2社のみが生産。
「ディスペンパック」について
- 株式会社ディスペンパックジャパンが製造・販売する、手を汚さずに片手で容易に開封できる小容量容器。
- 学校給食やレストラン、コンビニエンスストアなどで、使いきりタイプのソース用容器として採用されており、2008年度に年間生産量5億個を超えました。
- より多くの方に使いやすい設計のユニバーサルデザイン容器として、評価を得ています。
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以上