ダウ化工株式会社(本社:東京都品川区、社長:矢野 秀樹 以下ダウ化工)とクラレクラフレックス株式会社(本社:大阪市北区、社長:中島 多加志 以下クラレクラフレックス)は、共同で新しいコンセプトによる薄畳床を開発しました。2011年1月1日から、ダウ化工が「芯匠(しんぞう)」の商品名で全国発売を開始します。
畳は日本固有の伝統的住文化のひとつですが、住環境の変化により畳からカーペット、フローリングへの置き換えが進み、畳市場は縮小傾向にあります。また、高齢化社会が加速する中、規格住宅では部屋間の段差のないバリアフリー化も進んでおります。畳を薄く仕上げてフローリング材と同一の厚みにすることにより、根太の切り欠きが不要になりました。その結果、和室・洋室問わず、構造を同じにすることが可能な薄畳の需要が加速してきました。
ところが、畳を薄くするという機能にのみ着目していたため、畳本来の持つ機能性の中でも特に転んだときの安全性(転倒衝突安全性)、クッション性や断熱性が犠牲となってしまいました。このように畳本来の持つ機能が失われ、結果として消費者の期待を裏切ってしまっていると言っても過言ではありません。
こうした課題の解決を目指し、ダウ化工は断熱性に優れた押出発泡ポリスチレン板「スタイロフォーム」を使用して、日本人が馴染んできたわら畳の感触を復元すると同時に、安心感のある薄畳の製品開発をクラレクラフレックスと共同で取り組んできました。
ダウ化工は、このコンセプトを実現するために、新幹線軌道直下や空港滑走路下に使用され、実証された高強度「スタイロフォーム」の技術を生かして、薄畳専用高密度・高強度「スタイロフォーム」を開発しました。また、フォームを薄くすることにより損失する製畳時に必要な曲げ剛性を向上させるために、高強度プラスチック板との複合化を進め、薄畳に求められる耐久性、加工性を維持した芯材を開発しました。
一方、クラレクラフレックスは、高機能畳「かるぃ匠」で培ったわら畳の感触を長期にわたり再現した特殊不織布<フレクスター>を使用した「DKボード」を、更に改良を加え薄畳向けにクッション性に特化したボードの開発を進めてきました。<フレクスター>は繊維の交点すべてで接着されており、バネ構造を維持する構造になっています。これにより、転倒衝撃を緩和し、耐久性の向上を図ることができます。
また、薄畳「芯匠(しんぞう)」には強度向上のために複合素材が使用されていますが、将来、古畳として処分する際の環境負荷を考慮し、糸を除く畳床の主要構成部材は全て熱可塑性樹脂を使用しています。これによりリサイクルが可能になりました。
新薄畳「芯匠(しんぞう)」は、ダウ化工の「スタイロフォーム」とプラスチック板を複合化した芯材と、クラレクラフレックスの「フレクスター」を薄畳床向けにさらに改良した新規ボード「DK-400」で構成されています。
「芯匠」の特長として、以下が挙げられます。
今後もダウ化工とクラレクラフレックスは、両社の持つ技術力、製品開発力を活用し、新規市場の開拓を進めていきます。
全国スタイロ畳床代理店~畳店
2万1,000円/畳(『芯匠』(しんぞう)畳 工事費を含む参考価格)
5年後に30万畳
(薄畳マーケット 100万畳 30%)
本社 | 東京都品川区東品川2-2-24 |
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代表者 | 代表取締役社長 矢野 秀樹 |
資本金 | 23億円(米国ダウ・ケミカル 65%、住友化学 35%) |
設立 | 1982年5月25日 |
事業内容 | 押出発泡ポリスチレン板「スタイロフォーム」の製造・販売 |
本社 | 大阪市北区角田町8-1梅田阪急ビル オフィスタワー |
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代表者 | 代表取締役社長 中島 多加志 |
資本金 | 1億円(クラレ 100%) |
設立 | 2005年4月1日(前身は1972年設立のクラレチコピー(株)) |
事業内容 | 不織布および不織布製品の製造・加工・販売 |
「芯匠(しんぞう)」 | ダウ化工(株)商標(申請中) |
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「スタイロフォーム」 | ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー 商標 |
<フレクスター> | (株)クラレ 商標 |
以上