ニュース

株式会社クラレ

株式会社クラレ(社長:伊藤文大、本社:東京都千代田区)はこのたび、新規水溶性ポリマー<タスビス>として、水溶液の温度を上げると粘度が向上する“MYシリーズ”と、高い粘度の水溶液を可能とする“SNシリーズ”の2種類の製品を開発し、市場での評価を開始しました。

開発の経緯

  • 当社がこれまでポバール(ポリビニルアルコール)樹脂事業を通じて培ってきた独自の高分子合成技術を駆使して開発。
  • 水溶性と高粘性、高耐水性、耐薬品性という機能を兼ね備えているため、環境に配慮した水系の接着剤や塗料などに向けた増粘剤としての使用が可能に。

主な特長

<タスビス> “MYシリーズ”
  • 従来のポバール樹脂の水溶液は、温度の上昇に伴い粘度が低下しますが、“MYシリーズ”の水溶液は温度の上昇に伴い急激に粘度が上昇します。
  • “MYシリーズ”は分子中に特殊な疎水性ユニットを有しているため、フィルムの上に塗布した場合、表面の疎水性が向上します。

<タスビス>MYシリーズ水溶液 20℃

<タスビス>MYシリーズ水溶液 50℃

<タスビス> “SNシリーズ”
  • 従来のポバール樹脂と比べ、数千倍粘度が高い水溶液が作れるという特徴を有しており、目標とする粘度の水溶液を得るために、従来のポバール樹脂に比べ1/3~1/5の添加量に抑えることが可能になります。 また、増粘剤としての機能のみならず、接着剤としても優れた機能を有しています。 (なお、“SNシリーズ”には感温増粘性はありません)

主な用途

  • 塗料、接着剤、紙加工剤、水系潤滑剤向け増粘剤やレオロジーコントロール剤(*1)
  • フィルム表面の改質剤
  • *1 レオロジーコントロール剤とは
    用途や目的に応じて、溶液および物質の持つ粘度や流動性などの物理的特性を制御・調整するための添加剤

参考資料

<タスビス>“MYシリーズ”水溶液(4%)の温度と粘度の関係…ポバール樹脂の従来銘柄との比較

<タスビス>“SNシリーズ”水溶液の濃度と粘度の関係(温度:20℃)…ポバール樹脂の従来銘柄との比較


<タスビス>の水中でのイメージ図

ポバール樹脂について

ポバール樹脂は、1950年にクラレがビニロン繊維の原料として世界で初めて工業化した合成樹脂であり、水溶性などの特性を生かして、紙加工剤、接着剤、繊維糊剤などの用途に広く使われています。また液晶ディスプレイの基幹部材である偏光フィルムのベースとなる光学用ポバールフィルムとして、世界的に高いシェアを有しています。当社は世界の約30%以上のシェアを持つ、ポバール樹脂のトップメーカーです。

※ 報道関係者様向け画像ダウンロードサービス

報道関係者様に限り、画像をクリックしてダウンロードの上ご利用いただけます。
ご利用に際しては、当社IR・広報部までご一報ください。

以上