株式会社クラレ(本社:東京都千代田区、社長:伊藤正明)は、12月19日、東京大学宇宙線研究所(所長:梶田隆章)主催の「テレスコープアレイ実験10周年記念式典」で、テレスコープアレイ実験の発展に貢献したことによる表彰を受けました。
当社は、東京大学宇宙線研究所が行うテレスコープアレイ実験※に、放射線検出用素材「PSF(プラスチックシンチレーションファイバー)」を多年に渡り提供してきました。今回の表彰は、高品質なPSFを安定・継続的に供給し、テレスコープアレイ実験の発展に貢献したことが評価されたものです。12月19日に開催された「テレスコープアレイ実験10周年記念式典」には、当社メタアクリル事業部長の池森洋二が出席し、感謝状を授与されました。
※テレスコープアレイ(Telescope Array)実験
日米露韓・ベルギー・チェコの国際共同実験。米国ユタ州の荒野に観測装置を設置し、10の20乗電子ボルトを超える最高エネルギーの宇宙線を観測する。(http://taws100.icrr.u-tokyo.ac.jp/index.php)
「東京大学宇宙線研究所が主宰する宇宙科学の国際的な研究実験に、当社PSFが貢献してきたことを認めていただき、とても光栄に思います。今後も技術開発を進め、『世のため人のため、他人のやれないことをやる』という当社のミッションを推進していきたいと考えています。」
1980年代に当社独自の製法で放射線検出用素材として開発した、プラスチック製光ファイバーの一種です。内側が蛍光剤入りのポリスチレン樹脂、外側がメタクリル系樹脂の多重構造で、放射線が当たると光る性質を備えています。宇宙線を含む放射線検出用素材のデファクトスタンダードとして、ニュートリノやクォークの研究に使用され、ヒッグス粒子の発見にも貢献しました。宇宙物理学のトレンドであるダークマター(暗黒物質)の検出用素材としても活用が見込まれています。また、日立GEニュークリア・エナジー株式会社開発の放射性物質による汚染状況を把握する、ガンマ線空間線量当量率測定システム「D-phod(ディー・フォッド)」にも採用されています。
以上