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株式会社クラレ

株式会社クラレ(本社:東京都千代田区、社長:伊藤正明)は、WINヒューマン・レコーダー株式会社(以下、WIN HR社)とともに、電子制御冷暖房装置を搭載したジャケットを開発しました。このジャケットは、建物や自動車などの空間全体ではなく、身体だけを効率的に冷やしたり暖めたりすることが可能です。従来の冷暖房システムと比較し、エネルギー効率が向上し、消費エネルギーを削減できるため、地球温暖化問題にも貢献します(出典:WIN HR社ウェブサイト)。2020年夏からの試験販売を目指します。

1.開発の背景・概要

地球全域の温暖化問題の対策には、建物や自動車全体を冷却する従来の空調システムに加え、身体だけを選択的に冷却するシステムが有効であり、快適性と省エネの両面から、今後このようなシステムの普及が予想されます。(出典:NEDO「快適・省エネヒューマンファクターに基づく個別適合型冷暖房システムの研究開発」)
当社は、このたび株式会社富士通ゼネラルとWIN HR社が発売予定のウェアラブル電子制御冷暖房装置を搭載したジャケットを開発しました。

2.ウェアラブル電子制御冷暖房装置について

このウェアラブル電子制御冷暖房装置は、「局所適合環境を持ち歩く」環境ウェアラブルを実現する新しい発想の電子機器です。
人体の血液の流れが集中する頸部を冷暖することによって、体温を適切にコントロールすることが可能です。
制御デバイスは、ペルチェ素子(冷暖機能を持つ半導体)と腰または背中に装着するラジエータ部、バッテリー部、コントローラー部から構成されます。
頸部表面温度を適温範囲で設定でき、過冷却と低温熱傷を防止します。

3.本ジャケットの特長

環境温度に対し、約-5℃~-15℃の冷却機能を有します。 可動時間は、約2~4時間です。
ジャケットの表層には〈クラリーノ®〉、裏地にはダブルラッセルを使用しています。Tシャツの上からの着用を想定しています。適度なクッション性とストレッチを有し、幅広いシーンに対応可能です。
並行して、導電性繊維や面ファスナー〈マジックテープ®〉に導電性を付与した導電タイプを使用したジャケットの設計にも取り組んでいく予定です。

4.想定用途他

スポーツ衣、極暑対策衣、老人介護衣、屋外作業衣、救助隊作業衣、など

5.展示情報

以下のシンポジウムにおいて、開発品の実物展示を行います。

名称 日本繊維製品消費科学会「60周年記念国際シンポジウム2019」
開催日時 2019年9月5日(木)~7日(土)
会場 奈良春日野国際フォーラム
(「快適性とスマートテキスタイルの国際シンポジウム」の企業展示ブース内に展示)