株式会社クラレ(本社:東京都千代田区、社長:川原 仁)は、再生医療用の細胞培養に向けたPVAハイドロゲルマイクロキャリア※を開発しました。2024年1月より、国内および米国をはじめとする海外で発売します。
本マイクロキャリアを細胞培養に使用するバイオリアクターに投入して足場材料とすることで、表面に細胞が付着・増殖し、大量の細胞を効率的に剥離回収できます。バイオリアクターの中で攪拌しても破損しにくく、安全性や培養効率の高いマイクロキャリアです。
本開発品は、2023年10月11日から13日、パシフィコ横浜で開催される「再生医療JAPAN」に出展します。
※ マイクロキャリア・・・微小な細胞固定化担体。培養液の中で表面に細胞を接着させることで、3 次元的に培養するための材料。
近年、ワクチンなどのバイオ医薬品に加え、再生医療の市場拡大が見込まれる中、細胞の大量培養技術に注目が集まっています。一方、既存のマイクロキャリアは、バイオ医薬品製造が主な用途であり、再生医療用途で必要とされる細胞への異物混入の防止や幹細胞の増殖などに適した製品が少なく、今回の開発に至りました。
・高い堅牢性と安全性
弾性率の高いPVAハイドロゲル製のため、バイオリアクターで強く攪拌しても破損せず、微細な破片や異物が発生しません。GMP(Good Manufacturing Practice:医薬品の製造管理および品質管理の基準)に準拠した品質管理と安全性試験をクリアしています。
・高い培養効率
細胞増殖性および細胞剥離性に優れ、酵素処理なしで必要な細胞を回収できます。そのため、再生医療用の細胞が、既存のマイクロキャリアに比べて効率よく培養できます。
また、PVAハイドロゲルは培養液を吸収して膨張するため、ポリスチレンなどのマイクロキャリアと比較して、使用量を削減することもできます。
・優れた細胞観察性
透明で高い光透過性を有するため、顕微鏡での細胞観察が容易です。
名称 | 再生医療JAPAN (https://jcd-expo.jp/ja/) |
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開催日時 | 2023年10月11日(水)~13日(金) 10:00~17:00 |
会場 | パシフィコ横浜 展示ホール、アネックスホール、ノース |
ブース番号 | R-10 |