サステナビリティマネジメント

品質マネジメント

クラレグループでは、主に生産事業所単位でISO9001等の品質マネジメントシステムを導入しています。事業部では、事業毎にお客様の要求を製品に反映し、供給するための仕組みを構築しています。グループ全体の品質マネジメントの強化を目指し、2017年に事業部とCSR本部が一体となり、前年に導入された課題に対し全社横断的に状況を確認し改善活動を行うPDCAサイクルを構築しました。2018年はこの仕組みを活用し、各事業部が行っている品質改善活動の成果の共有、クラレグループ品質ハンドブックを用いた教育の普及、顧客や社会からの要求の高まりに応える品質保証の社内ルール 整備を進めました。

今後も、継続してPDCAサイクルを回し、グループ全体の品質マネジメントの向上を目指します。

品質に関する考え方

クラレグループの品質の考え方は、クラレグループの使命である「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」の実現に根差しており、企業ステートメント「私たちの信条」における「価値の創造」、「顧客のニーズが基本」や「私たちの誓約」の第一項に掲げられている「私たちは、安全に配慮した高品質の商品・サービスを開発、提供します」という言葉によっても表しています。

私たちが提供する商品・サービスは、お客様にその価値を評価され、受容されてはじめて世の中の役に立つことができる、すなわちクラレの考える品質とは「顧客満足」であること、そしてお客様に認められ、信頼されるパートナーとして選ばれ続けるためには、事業活動に関わるすべてのメンバーが協働し「全員参加」によって「顧客満足」を絶えず高める取り組みを行うことが重要だと考えています。

クラレグループではこの考え方を基に、2016年度からCSR本部と事業部が一体となったグループの品質マネジメントの向上に取り組んでおり、品質マネジメントの継続的な強化を目指しています。

品質保証活動

クラレグループは、各事業がそれぞれ創意工夫し、「顧客満足」を実現するために継続的な品質改善に取り組んでいます。例えば、エバール事業部が2012年度から、ジェネスタ事業部が2015年度から「顧客満足度」の向上を目指し取り組みを開始した「ICS活動」では、製造・販売・開発に関わるメンバーが連携し組織を横断して品質改善活動を進めています。

CSR本部と事業部が一体となりグループ全体の品質マネジメントの向上を目指す取り組みは、各事業部長が指名する品質保証の責任者からなる「品質保証・製品安全ワーキングチーム」を中心に進めています。2018年度に力を入れたテーマとして、各生産事業所にて行われてきた品質改善活動を紹介し合い、共有する機会を設け、全社的な品質マネジメントレベルの向上を図るなどの活動を行いました。また、全社的な品質クレームの傾向分析を継続しています。生産、開発といったモノづくりだけでなく、物流、保管までを含めた品質マネジメントの更なる強化が求められており、今後、重要課題として取り組んでいきます。

品質保証教育

2016年度にクラレグループの品質に対する考え方を取りまとめた「クラレグループ品質ハンドブック」を発行しました。この品質ハンドブックではクラレグループで働くすべての人々にとって共通する以下の基本的な5つの重要事項を定めています。

1 全員で品質に取り組むこと(全員参加)
2 事実に基づいて行動すること(事実に基づく管理)
3 現場・現物・現実・原理・原則に基づき行動すること(五ゲン主義)
4 各工程で決められたことを満たして次の工程へ渡すこと(品質は工程で作り込む)
5 常に品質の向上に取り組むこと(継続的改善)

2018年度は、本ハンドブック内で強調している「クラレの考える品質」、「品質とは顧客満足」およびこれらの重要事項について実際に製造現場でモノづくりをしているメンバーにも周知するために、全ての事業所においてハンドブックを解説する機会を設定し、お客様の顔を直接見る機会のない部門においても一人ひとりが顧客満足のための重要な役割を担っていることを伝え、品質に対する意識向上に努めました。今後もクラレグループ全員がこの5つの重要事項に根差した「顧客満足」を実現するべく日々の業務に取り組みます。

また、品質保証に携わる責任者および担当者のレベルアップを目的とした社内セミナーにも力を入れています。近年は特に自動車業界、電子業界のお客様からの品質への取り組み強化の要求が高まってきていることから、2018年度には自動車の認証規格であり、昨今は川上に位置する原料メーカーにおいても重要となってきているIATF16949(International Automotive Task Force)の理解を進めるための社内セミナーを開催するなど、品質保証のあり方を啓蒙するための活動も進めました。

製品事故発生時の対応

クラレグループでは、苦情情報を事業部で管理することにより、お客様への速やかな対応を行うとともに再発防止を図っています。しかし重大な案件については「PL事故対応および品質クレーム報告規則」に基づく対応を定めています。

重大な製品事故が発生した場合には、CSR本部が速やかに経営層に状況を報告し、法令に基づいた行政機関への報告とともに、コーポレート緊急対策本部を立ち上げ、お客様視点で迅速かつ適切な措置を講じます。また、緊急の対応を要する重大な製品事故だけでなく、一般の事故に対しても原因究明と再発防止のための是正措置を取る仕組みを構築しています。

なお、クラレグループにおいて2018年度は、重大な健康被害や、火災等の財産への被害の原因となるような製品回収・事故は発生しておりません。

品質マネジメントシステム認証一覧(2018年12月末現在)

(1) ISO9001
  • EVAL Europe NV
  • Kuraray Europe GmbH
  • Kuraray Europe GmbH Business Area PVB
  • Kuraray America Inc.-EVAL BU
  • Kuraray America Inc. Septon BU
  • Kuraray America,Inc. PVA Division
  • Kuraray America,Inc. PVB Division
  • Kuraray America,Inc.Vectran Division
  • Kuraray America,Inc.Trading BU
  • Kuraray Korea Ltd.
  • Kuraray Europe Moravia s.r.o.
  • Kuraray Asia Pacific Pte.Ltd.
  • MonoSol, LLC
  • MonoSol AF, Limited
  • Plantic Technologies Limited
  • Calgon Carbon Corp
  • Calgon Carbon Suzhou
  • Calgon Carbon UV Technologies LLC
  • Chemviron S.A. Feluy & Chemviron Carbon Ltd Tipton
  • Chemviron Carbon Limited Ashton -in-Makerfield
  • Chemviron Italia SRL
  • Chemviron France SAS
  • Chemviron Carbon Cloth Division a Division of Chemviron Carbon Ltd

※ 事業所・工場の敷地内に所在する下記のグループ会社を含みます。
クラレ西条(株)、クラレクラフレックス(株)(岡山工場)、クラレ岡山スピニング(株)、クラレテクノ(株)

(2) ISO13485
  • クラレノリタケデンタル(株)
  • クラレ 機能材料カンパニー メディカル事業部 バイオマテリアル部
  • Kuraray Europe Benelux B.V.
  • Chemviron Carbon Cloth Division a Division of Chemviron Carbon Ltd
(3) IATF16949
  • EVAL Europe NV
  • Kuraray Europe GmbH Division Troisdorf
  • OOO TROSIFOL
  • Kuraray Korea Ltd.