品質マネジメント
品質に対する考え方
クラレグループのこだわる品質は、クラレグループの使命である「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」の実現に根差しています。
私たちが提供する商品・サービスは、お客様にその価値を評価され、受容されてはじめて世の中の役に立つことができる、すなわちクラレの考える品質とは「顧客満足」であることを明確にしています。
また、顧客満足を実現し、社会に貢献する製品やサービスを提供するためには、製品やサービスの性能・品質の追求だけでなく、安全・環境影響・サステナブルなど、複数の観点での配慮が重要であると考えています。
このような点から、生産・開発といったモノづくりだけでなく、販売・物流・保管・バリューチェーン等を含め、総合的に品質マネジメントを行うことが重要であり、「全員参加」による取り組みを進めています。
品質マネジメント
クラレグループでは品質保証や製品安全に関する社内規定において、サステナビリティ推進本部担当役員がグループの品質保証を統括することを明確にしています。
個々の製品の品質保証や製品安全は製品をよく知る各事業部門が責任を担う一方、サステナビリティ推進本部はコーポレート組織として各事業部門における品質マネジメントシステムを体系化し、継続的な改善を図っています。また、客観的な立場で各事業部門の品質監査を行い、品質保証の運営状況の妥当性を確認する役割も担っています。
各事業部門とサステナビリティ推進本部の間では、定期的に品質に関する連絡会を開催することで情報共有を図り、品質確保・改善に対して協働して取り組んでいます。
クラレグループは、企業ステートメントで「私たちは、安全に配慮した高品質の商品・サービスを開発、提供します。」と表明しています。さらに、品質に対する企業姿勢をより明確にするため、「クラレグループグローバル品質方針」を策定しています。
クラレグループグローバル品質方針
「安全で信頼でき、高い品質の商品・サービスの提供を通じて、社会に貢献することを目指します。」
私たちは、サステナブルな社会の実現のために、安全で質が高い商品・サービスを責任と誇りをもって提供し、自然環境・生活環境の向上に寄与することを約束します。
そのために、一人一人が法令および社会の要請やお客様の要望を理解し、お客様にとっての価値の創造を追求して顧客満足を高められるよう、継続的に改善活動を行います。
また、特に注力すべきポイントを「年度行動目標」として定め、クラレグループの従業員の品質意識向上を図り、お客様により満足していただける製品の提供に努めています。
クラレグループグローバル品質方針を確実に遂行するため、「プロダクト・ライアビリティ」、「化学物質管理」、「品質マネジメント」における要求事項を明確にした「クラレグループ製品安全規定」およびその下位に位置する各種社内規則や細則を定め、適切な運用を図っています。
品質保証活動
クラレグループの品質保証活動には、①ISOをベースとするシステム化した活動、②各事業部門や部署で独自に(フレキシブルに)行っている活動、③サステナビリティ推進本部と各事業部門が協働して行う活動、などがあります。
品質マネジメントシステム(QMS)の基本骨格となるISO9001は主に生産事業所単位で認証取得しており、各部署でISO9001に基づいた品質保証の枠組みを構築し、日常的な品質管理・品質保証活動を実行しています。
また、事業内容に応じてISO13485(医療機器に関するQMS規格)やIATF16949(自動車産業のQMS規格)なども取得しています。
IATF16949については、古くから高機能中間膜事業部で認証取得していましたが、エバール事業部でもグローバルでの認証取得に取り組んできました。2018年にエバールヨーロッパで認証取得(2003年取得のISO/TS16949からの移行)、2019年にはクラレアメリカのエバール事業部および日本のエバール事業部(岡山事業所)でも認証取得を完了し、継続して品質改善活動に取り組んでいます。
一方、事業部門や部署ごとに行っている品質改善活動としては、例えば、製造事業所の部署単位で行う「創新活動」などがあります。品質改善活動のグッドプラクティスは事業所内での報告会やカンパニーあるいは事業部での品質大会・品質報告会などを通じて、共有化を図っています。
これらの事業部門や部署ごとに取り組んでいる活動に加え、サステナビリティ推進本部と各事業部門が協働し、グループ全体の品質マネジメントの質向上を目指す取り組みも実施しています。2020年より品質管理の業務フローの標準化、転記ミスなどのヒューマンエラー防止を目的に、品質管理システム(品質データの確実な保管・トレーサビリティや品質情報の可視化、分析機器からの直接保存、基幹システムとの連携)の導入検討を開始し、2023年度には一部の事業部で稼働を開始する予定にしています。
また、2022年度は品質保証に関する社内規定の改定や、他社で課題が見つかった認証取得製品の管理方法のチェックなども行い、品質保証、品質管理の担当者だけでなく、生産・販売・開発の担当者を含めた社内品質意識の向上を目的に活動を行っています。
原料購入から製品製造、その消費までを含めサプライチェーン全体の総合的な品質マネジメントの維持・管理を継続して実行することがより重要になると考えています。事業活動に関わるメンバーの「全員参加」により、お客様に提供する製品・サービスの品質信頼性のさらなる向上を目指し、2023年度も引き続きこれらの活動を通じて、顧客満足を実現する製品やサービスの提供を行っていきます。
品質保証教育
クラレグループでは2016年度に品質に対する考え方を取りまとめた「クラレグループ品質ハンドブック」を従業員向けに発行しました。この品質ハンドブックではクラレグループで働くすべての人々にとって共通する以下の基本的な5つの重要事項を定めています。
1 | 全員で品質に取り組むこと(全員参加) |
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2 | 事実に基づいて行動をすること(事実に基づく管理) |
3 | 現場・現物・現実・原理・原則に基づき行動すること(五ゲン主義) |
4 | 各工程で決められたことを満たして次の工程へ渡すこと(品質は工程で作り込む) |
5 | 常に品質の向上に取り組むこと(継続的改善) |
この品質ハンドブックの配布と合わせて社員は品質ハンドブックの基礎教育をe-ラーニング型式で受講します。基礎教育を通じて、社員一人ひとりが顧客満足のための重要な役割を担っているという意識の定着を図っています。今後もクラレグループ全員がこれら5つの重要事項に根差した「顧客満足」を実現するべく日々の業務に取り組みます。
一方、より実践的な教育として、品質保証に携わる責任者および担当者のレベルアップを目的とした社内セミナーにも力を入れています。2022年度は品質改善活動の取り組み方の観点から「未然防止に役立つ失敗学」をテーマとした社外講師によるセミナーを開催しました。引き続き、品質保証、品質管理の担当者だけでなく、生産・販売・開発部署を含めクラレグループ全員の品質意識の向上を目指し、活動を行います。
品質クレーム・製品事故発生時の対応
クラレグループでは、品質クレーム情報を事業部で管理することにより、お客様への速やかな対応を行うとともに再発防止を図っています。しかし重大な案件については「PL関連事故対応および品質クレーム報告規則」に基づき全社で取り組む体制を定めています。
重大な製品事故が発生した場合には、サステナビリティ推進本部から経営層への状況報告、法令に基づいた行政機関への報告を行うとともに、コーポレート緊急対策本部を立ち上げ、お客様視点で迅速かつ適切な措置を講じます。また、緊急の対応を要する重大な製品事故だけでなく、一般の事故に対しても原因究明と再発防止のための是正措置を取る仕組みを構築しています。
2022年度には、品質クレームや製品事故により適切に対応できるよう、PL事故の判断基準やクレーム報告の基準を見直し、「PL関連事故対応および品質クレーム報告規則」の改定を行いました。
なお、クラレグループにおいて2022年度は、重大な健康被害や、火災等の財産への被害の原因となるような事故・製品回収は発生しておりません。
品質マネジメントシステム認証一覧(2022年12月末現在)
- (1) ISO9001
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- クラレ新潟事業所
- クラレ鹿島事業所
- クラレ岡山事業所
- クラレ倉敷事業所 膜・モジュール生産技術開発部
- クラレ倉敷事業所 フィルム生産・技術開発部
- クラレ倉敷事業所 研究開発本部 機能製品開発部
- クラレ玉島(株)(エステル工場)
- クラレ西条事業所
- クラレ鶴海事業所
- クラレプラスチックス(株)(伊吹工場)
- クラレファスニング(株)(丸岡工場)
- クラレエンジニアリング(株)
- クラレトレーディング(株)(岡山工場)
- クラレテクノ(株)(ビル管理サービス事業部)
- EVAL Europe NV
- Kuraray Europe GmbH
- Kuraray Europe GmbH PVB Division (Troisdorf)
- Kuraray America Inc.-EVAL BU
- Kuraray Americas Inc. Elastomers BU
- Kuraray America, Inc. (La Porte)
- Kuraray America, Inc. - PVOH Business Unit
- Kuraray America, Inc. PVB Division (Wilmington Business Center and Customer Service)
- Kuraray America, Inc. PVB Division (Washington Works and Tech. Service Dev. Lab)
- Kuraray Americas Inc. Vectran Division
- Kuraray Korea Ltd.
- Kuraray Europe Moravia s.r.o.
- Kuraray Asia Pacific Pte.Ltd.
- MonoSol, LLC
- MonoSol AF, Limited
- Plantic Technologies Limited
- Calgon Carbon Corp
- Calgon Carbon Suzhou
- Chemviron S.A. Feluy
- Chemviron Carbon Ltd Tipton
- Chemviron Carbon Limited Ashton -in-Makerfield
- Chemviron Italia SRL
- Chemviron France SAS
- Chemviron Carbon Cloth Division a Division of Chemviron Carbon Ltd
※ 事業所・工場の敷地内に所在する下記のグループ会社を含みます。
クラレ西条(株)、クラレクラフレックス(株)(岡山工場)、クラレ岡山スピニング(株)、クラレテクノ(株)
- (2) ISO13485
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- クラレノリタケデンタル(株)
- クラレ 機能材料カンパニー メディカル事業部 バイオマテリアル部
- Kuraray Europe Benelux B.V.
- Kuraray Americas Inc. Vectran Division
- Chemviron Carbon Cloth Division a Division of Chemviron Carbon Ltd
- (3) IATF16949
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- EVAL Europe NV
- Kuraray America Inc.-EVAL BU
- 岡山事業所 エバール事業部
- Kuraray Europe GmbH PVB Division (Troisdorf)
- OOO TROSIFOL
- Kuraray Korea Ltd.