GHG排出削減目標の新たな設定
クラレグループは気候変動対策を優先的に取り組むべき重要課題の一つとして捉えており、2050年カーボンネットゼロの達成を目指しています。クラレグループのサプライチェーンを含めたGHG排出量は6,437千トン-CO2(2023年実績)です。
Scope1&2の排出量削減目標について、今般、海外のクラレグループの生産拠点近郊にグリーン水素やグリーンアンモニアなどのCO2排出を伴わないクリーンエネルギーの開発プロジェクトが存在していることがわかりました。これらのプロジェクトが順調に進めば、2035年頃に供給体制が整う可能性に鑑み、2035年を目標年とするScope1&2の新たな排出量削減目標を設定しました。
加えて、GHG排出量削減においては、事業活動に関連するサプライチェーン全体での脱炭素化への取り組みも重要になっています。そこでクラレグループはScope3についても目標を設定しました。
自社グループからのGHG排出削減(Scope1&2)
サプライチェーンからのGHG排出削減(Scope3)
クラレグループは2024年にグループ全体のScope3 排出量を算定しました(詳細は下表のとおり)。これにより主要な排出源を「購入した製品・サービス(Scope3カテゴリー1)」由来と特定し、カテゴリー1の排出量を2035年までに2021年比で37.5%削減する目標を設定しました。バイオマス原料やリサイクル原料のようなGHG排出負荷の低い原材料への転換や、活性炭事業における再生炭の拡大などに取り組むと同時に、サプライヤーとの削減に向けた対話と協働を通じて削減目標の達成を目指します。
なお、クラレグループは、新たに設定したScope1&2およびScope3のGHG排出量削減目標についてSBT※の認定取得を目指します。
※SBT(Science Based Targets):「パリ協定が求める水準と整合した、企業が設定した温室効果ガス削減目標」のことで、SBT認定により当該企業の目標が科学的根拠に基づき、パリ協定の目標と整合したものと認められます。
Scope別・カテゴリー別GHG排出量
Scope | カテゴリー | 単位 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|---|---|
Scope1 | 直接排出 | 千トン-CO2 | 1,973 | 1,877 | 1,748 |
Scope2 | 間接排出(エネルギー由来) | 千トン-CO2 | 1,047 | 1,020 | 952 |
Scope1+Scope2 合計 | 千トン-CO2 | 3,020 | 2,896 | 2,700 | |
Scope3 | 1.購入した製品・サービス | 千トン-CO2 | 2,941 | 2,872 | 2,544 |
2.資本財 | 133 | 157 | 344 | ||
3.Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 | 546 | 549 | 534 | ||
4.輸送、配送(上流) | 264 | 284 | 250 | ||
5.事業から出る廃棄物 | 78 | 78 | 58 | ||
6.出張 | 1 | 2 | 2 | ||
7.雇用者の通勤 | 4 | 4 | 5 | ||
8.リース資産(上流) | 対象のオフィス、電気製品、社用車の排出量はScope1,2に含めています。 | ||||
9.輸送、配送(下流) | クラレグループの製品は、多様な用途において主に中間製品として販売し、輸送、加工、およびその廃棄までの追跡と把握が困難であるため、排出量の合理的な算定が不可能であり、これらのカテゴリーを算定対象外としています。 | ||||
10.販売した製品の加工 | |||||
11.販売した製品の使用 | |||||
12.販売した製品の廃棄 | |||||
13.リース資産(下流) | 他社にリースしている資産はないため、当社に該当しません。 | ||||
14.フランチャイズ | フランチャイズ制をとっていないため、当社に該当しません。 | ||||
15.投資 | 有価証券報告書に記載の通り、投資目的での他社の株式保有は行っていません。 | ||||
Scope3合計 | 千トン-CO2 | 3,967 | 3,946 | 3,737 | |
Scope1+Scope2+Scope3合計 | 千トン-CO2 | 6,987 | 6,842 | 6,437 |