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株式会社クラレ・クラレトレーディング株式会社は、（株）クラレの新規水溶性樹脂<エクセバール>とポリエステルとの複合繊維<ミント>シリーズの内、海島型複合繊維<マイクロミントUS>を使用した高発色・高質感ヌバック調ファブリック<エルモザ>を開発し、03年秋冬シーズン以降、紳士・婦人衣料向けを始め、靴・鞄・手袋などの資材も対象として本格的に販売展開を図ります。

<ミント>シリーズは（株）クラレの新規水溶性樹脂<エクセバール>を用いて開発したクラレグループ独自の新規合成繊維で、クラレグループが進めているポリエステル繊維事業の“独自ポリマー化”戦略の一環として02年4月から量産を開始しました。この繊維は紡糸段階で<エクセバール>とポリエステルを複合し、その後染色段階で<エクセバール>を溶出させることにより、様々な特長を生み出せます。既に展開を進めている多孔中空タイプの<エアーミント>は見掛け比重0.8という軽量性からスポーツ衣料を中心に高い評価を得ていますが、このたび新たに海島タイプの極細繊維<マイクロミントUS>を用いた<エルモザ>を加えます。

<エルモザ>は高発色・高質感ヌバック調織・編物です。これまでの合繊織・編物系の人工スエードとは一線を画すとともに、市場で高い地位を確立している人工皮革のスエード・ヌバック素材とも違う特長を持つ素材です。<エルモザ>は<エクセバール>溶出時に繊維自体が収縮することから、単糸にランダム（不均一）な捲縮が掛かり、その捲縮により起毛後に単糸がほぐれ、微細な空隙を生み出します。その結果、従来の合繊系スエードと違う、天然ヌバックに近い質感をもたらします。また一般的に極細繊維は濃色に染色するのが困難ですが、<エルモザ>では単糸のランダムな捲縮により光の反射が抑えられ、“濃色でも高発色”が可能となりました。更に<エクセバール>は熱水で溶出するため、アルカリ減量のように特定の薬品や装置を用いることなく生産でき、またその排水も比較的容易に処理できます。
クラレトレーディング（株）では02年秋冬衣料向けに<エルモザ>をトライアル販売しましたが、国内市場で予想を上回る高い評価を得ることができました。また、欧州を中心とした海外ワークも03年度の立ち上げに向けて順調に進んでいます。人工皮革を含むスエード素材が注目を浴びているファッショントレンドの中、<エルモザ>は数あるスエード素材とは一線を画す高質感、高発色、軽量性が市場で受け入れられ、高い評価につながっていると考えています。03年度に向け、クラレトレーディング（株）では<エルモザ>を世界レベルの差別化素材として本格的に展開するため、衣料分野での拡大を図るとともに、さらに靴、鞄、手袋などのファッション関連商品のマーケティング・販売も進めていきます。

今後もクラレトレーディング（株）は（株）クラレとともに<エルモザ>をポリエステル事業の中核素材に育て上げるため、更なる商品開発・用途開拓と国内外の販売拠点の拡大を図っていきます。

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