製品安全・化学物質管理
製品安全
クラレグループの各事業部においては、製品の安全を確実なものとするため、日々の新製品開発や変更管理(原材料の変更、製造設備や条件の変更などを対象とした製品の安全性や性能発現への影響の評価)の際に、さまざまなリスクアセスメント手法を用いた評価やそれに基づく改善を行ない、製品の安全および品質を保証しお客様へお届けしています。
かつ、全社的に安全性の検討を要する製品および開発品(体内摂取されるもの、ナノマテリアルを使用するものなど)に対して、「重要案件に関するPL審議委員会規則」に基づきサステナビリティ推進本部を中心に審議委員会を組織し、製品の安全性の確認を経て、開発・上市する仕組みを構築しています。2020年度も、この規則に定められた対象となる製品の開発・商品化に対して、社内有識者を集めたPL審議委員会で、販売先であるお客様・製造に携わる従業員・製品を使用する消費者の皆さまに対する安全性や環境への影響などを審議し、適切な対策を取ることを前提に開発・商品化を進めることを決定しました。
クラレグループではこのように事業部ごとのリスクアセスメントに加え安全性に関する審議を必要とする事案のPL審議委員会による審議を通じて、お客様・消費者・従業員の皆様に対し適切な安全対策がとられた製品を供給します。
化学物質管理
SAICM1)やSDGs2)をはじめとする世界的な取り組みを背景に、各国の化学品に関する法令の改正が実施される近年の環境変化に対し、クラレグループでは、ポストSAICMを見越し以下の取り組みを行い、当社の製品を安全にご使用いただけるよう努めております。
●化学物質管理システム
国内クラレグループでは、ITツールによる化学物質管理を行っています。社内データベースに登録した原材料や製品等の含有化学物質情報と、法令・化学物質の安全性情報等の外部データベースを連携させることにより、関連する法規情報や危険有害性情報の取得、SDS(安全データシート)等の作成ができる仕組みを整備し、お客様への情報提供を行っています。
●国内外の化学品に関する法令への対応
海外グループ企業と連携し、各国化学品関連法の改正状況や運用状況に関する情報収集を行い、効率的に確実な対応ができる体制を目指しています。また、国内外の化学物質管理責任者および実務者を対象とした定期的な情報共有の機会を設け、日々要求レベルが高まっている国内外の法令への理解を深めて、法令順守の徹底を図っています。
2020年度は、化審法、安衛法をはじめとする国内法に対応するとともに、海外法ではトルコ版REACHの予備登録、台湾の毒性及び懸念化学物質管理法の年度報告制度、EAEUの新化学物質管理規制の対応等に注力しました。
- 1)SAICM:国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ(Strategic Approach to International Chemicals Management)
- 2)SDGs:持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)
製品安全・化学物質管理の目標と実績
2020年度 | 2021年度活動項目 | ||
目標 | 実績 | 評価 | |
製品に起因する重大事故の未然防止、重大事故・法令違反件数ゼロ | 製品安全や化学物質管理の切り口で、コーポレートと事業部の連絡会を定期的に実施し、社内ルールの周知や法規制の教育を行い、社員の意識向上を図っています。また、品質苦情を含め、顧客からの苦情情報を集約し、上述の連絡会で情報共有することで横展開も行っています。 2020年度の重大事故等はゼロでした。 |
◎ | 事業部間の情報共有向上により、「製品に起因する重大事故の未然防止、重大事故・違反件数ゼロ」の確度を高める。 |