社会とのかかわり
クラレグループは、社会の健全で持続可能な発展が企業としての成長や繁栄の条件であるとともに、企業活動の究極の目標であると考えます。人々にとって価値のある製品や事業を通して社会に貢献することはもちろん、企業市民として積極的に社会的な問題に取り組むことは、企業として重要な活動であると認識しています。
クラレグループ社会貢献活動方針に則り、文化・学術・環境・福祉分野を中心に活動しています。
クラレグループ社会貢献活動方針
クラレグループは、社会の一員としての責任を果たすため、以下の方針に基づき、社会貢献活動に積極的に取り組みます。
活動のあり方
- 社会的な課題の解決につながる活動
- 国内外の事業拠点の地域社会に根ざした活動
- 社員の主体的参加を重視した活動
- 長期的に持続可能な活動
活動の領域:「文化」「学術」「環境」「福祉」を重点領域とする。
なお、2019年度における寄付が売上に占める割合は0.01%となりました。
(※寄付以外の社会貢献活動に伴う費用は算出しておらず、上記の%に含まれておりません)
社会とのかかわりの目標と実績
目標 | 実績 | 評価と課題 | 2021年度目標 |
【学術】 「ランドセルは海を越えて」キャンペーンの着実な実行 |
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【学術】 「少年少女化学教室」を年1回以上実施する |
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【福祉】 知的障害者の作業施設の運営 |
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【文化】【学術】 【環境】【福祉】
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文化
クラレグループは、初代社長の大原孫三郎が設立した公益財団法人大原美術館の支援を継続的に実施すると共に、事業所での文化活動の支援も行っています。
岡山事業所では、2005年から「小学生絵画・書道コンクール」を毎年開催しています。本コンクールは、日頃の成果を発揮する場として定着しており、2020年度は事業所近隣の5つの小学校から絵画・書の作品合わせて531点の作品応募がありました。今後も継続して取り組んでいきます。
学術
従来の活動を継続支援することによる健全な青少年育成を目標に、各事業所での「少年少女化学教室」の開催、社外イベントへの参加、スポーツ大会の主催などを実施しています。
子どもたちに化学実験を通して、化学の楽しさを知ってもらう教育活動として、小学生を対象に「少年少女化学教室」を開催しています。この取り組みは、事業所内の専門教室や、地域の小学校、公共施設などで、社員ボランティアが講師やアシスタントを務めるもので、1992年より毎年国内の各事業所で開催しています。
2020年度は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う対応として策定した「イベント・催事を自粛する方針」に則り、開催いたしませんでした。
事業所 | 教室名 | 累計 | 累計参加人数 |
倉敷事業所 | おもしろかがく館 | 75回 | 1,951名 |
西条事業所 | わくわく化学教室 | 80回 | 2,336名 |
岡山事業所 | おもしろ化学教室 | 49回 | 1,479名 |
新潟事業所 | ふしぎ実験室 | 61回 | 1,659名 |
鹿島事業所 | おもしろ化学教室 | 29回 | 1,614名 |
鶴海事業所 | 出張授業など | 4回 | 293名 |
合計 | 298回 | 9,332名 |
青少年育成の観点から、各事業所でスポーツ大会を開催しています。各事業所で各種スポーツ大会等を主催しています。(2020年度は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う対応として策定した「イベント・催事を自粛する方針」に則り、開催いたしませんでした。)
また、会社の保有する野球場・体育館・テニスコートを近隣の住民に開放し、地域スポーツの振興に努めています。今後も継続していきます。
クラレアメリカは、2020年2月15日にテキサス州ヒューストン自然科学博物館で開催されたガールスカウトアメリカ連盟のSTEM教育((Science, Technology, Engineering, Mathematics)の一環であるGEMSイベント(GEMS: Girls Exploring Math And Science)にブースを出しました。GEMSはガールスカウトのメンバーだけでなく、誰でも参加でき地元の専門家が、科学、技術、工学、数学の分野に関する質問に答えるといったイベントです。クラレアメリカの従業員もボランティアとして参加し、万華鏡やPVOHを用いたスライムの作り方を参加者に丁寧に教えました。イベントの参加者にとっても、身近なものから科学や数学の世界に触れる貴重な経験となりました。
クラレヨーロッパは毎年フランクフルト地域で1つのサッカーチームのスポンサーをしており、2020年はフランクフルト・オーバーラートの少年サッカーチームを後援しました。そのチームはクラレのロゴが入ったユニフォームを身に纏い、冬のトーナメントで優勝するという快挙を成し遂げました。
環境
森林保全活動として新潟事業所の「ミラバケッソの森づくり活動」を実施しています。2020年度の活動では、55名が参加しました。また、全ての事業所で清掃ボランティアを継続して行っています。グループ会社においても事業所周辺の清掃活動などを定期的に行っています。
クラレの各事業所では、自治体・NPO法人と連携して、社員ボランティアによる公園や道路の清掃、保育園園庭の芝刈り等の活動にも取り組んでいます。
ガルベストンベイ財団は、1987年からガルベストン湾の保護を目的に設立された自然保護非営利団体で、クラレアメリカも2014年からそのパートナーになっています。Trash Bash®はガルベストン湾を掃除するという、財団の企画するテキサス州で最大の清掃イベントの1つで、クラレアメリカも2015年から毎年参加しています。2021年3月のTrash Bash®は、COVID-19安全ガイドラインに従い、「仮想」イベントに切り替えられ、参加者はガルベストン湾の代わりに近所、公園、または排水管をきれいにすることになり、クラレアメリカの従業員とその家族が、地元の清掃活動に参加しました。
Operation Clean Sweep®(OCS)は、プラスチックペレットを誤って環境に漏洩することを減らすための国際的なプログラムです。PlasticsEuropeは、そのメンバーにOCSを義務化した世界初の業界団体であり、エバールヨーロッパはPlasticsEuropeのアクティブメンバーとしてOCSプログラムに参加しています。OCSの取り組みはPlasticsEuropeやOCSのウエブサイトで公開されている進捗レポートに紹介されており、エバールヨーロッパの工場と倉庫では、従業員の意識を高めるためOCSの取り組み事例に沿った対策を実施しています。また、施設からの潜在的なペレット流出リスクを分析し、状況を改善するための新たな評価基準を設けて継続して管理を行っています。
物流においては、トラック、電車、船などのさまざまな輸送形態を最適に組み合わせた複合輸送において、可能な限り環境に優しく、コスト効率の高い輸送を実現することができます。エバールヨーロッパは、アントワープ港の物流会社との協力により、トラック輸送時の温室効果ガスCO2排出量を、鉄道や船の複合輸送により、「鉄道」で約55%、「短距離船」を用いることで約75%削減することができ、同時に様々な国の顧客に対する輸送サービスの質を向上させました。
福祉
知的障がい者の就労支援・雇用数の維持・定着を図ることとクラレふれあい募金の実施を目標に、倉敷事業所、西条事業所、新潟事業所、鹿島事業所での知的障がい者の作業施設の運営、また各事業所でクラレふれあい募金の寄付などを実施しています。また西条事業所と新潟事業所では桜の開花時期に合わせて観桜会を開催しています。2020年度はコロナウイルス感染拡大に伴う対応として開催いたしませんでしたが、今後も活動を継続していきます。
クラレは、障がい者に雇用機会を提供することによって、その自立を支援するため、地域の福祉施設と連携して知的障がい者のための作業所を設置しています。新潟事業所の「クラレ作業所」は、1997年に中条町(現・胎内市)と社会福祉法人七穂会「虹の家」の協力を得て、知的障害者就労の場として開所し、生産工程で発生する端材をリサイクルするための分別や、備品の製作などを行っています。2007年には西条事業所の「ひまわり作業所」が開所、2011年には、鹿島事業所で、社会福祉法人神栖啓愛園の支援により「あおぞらワークス」を開設しました。倉敷事業所で作業服のクリーニング・製品のラベル貼付作業に従事している社員を含めると、4つの作業所で、あわせて13名の指導員と41名の作業員が働き、様々な業務に従事しています。また社員とスポーツイベントなどを通じて交流しています。今後も引き続き運営を継続し、雇用の維持・定着を図ります。
作業内容 | |
倉敷 | 作業服のクリーニング、製品のラベル貼付 |
西条 | 製品のリサイクル、作業服のクリーニング |
新潟 | 製品のリサイクル、鍋敷・エプロンの製作、作業服のクリーニング |
鹿島 | 製品の包装袋の二重化、異物選別 |
クラレでは、従業員の寄付金に、その同額を会社がプラスして行う寄付制度であるマッチングギフトを、「クラレふれあい募金」の名称で1992年7月からスタートしました。制度に賛同する従業員が月次給与100円未満の端数を積み立て、その同額を会社が拠出します。集まったお金は基金として、社会福祉に役立てるよう活用しています。各事業所の近隣にある福祉施設や自治体、学校を中心に、介護用品や図書等を寄贈するなど、地域に根ざした活動を行っています。今後も引き続き、基金を社会福祉に役立てていきます。
ハビタット・フォー・ヒューマニティは、恵まれない人々に家を提供することを支援する非営利団体です。決して金銭的には恵まれてはいないが、それぞれのコミュニティで重要な役割を担っている人々に手頃な価格の住宅を提供することが彼らの使命です。2020年2月1日、クラレアメリカ ヒューストンの従業員は、ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ベイタウンにボランティアとして参加し、恵まれない人々の家を建てる手伝いをしました。このイベントで支援した人々にふさわしい、質が高く、安全でエネルギー効率のよい家を手ごろな価格で建てることができ、参加した誰もが素晴らしい時間を過ごしました。
モノソルは、COVID-19の影響で職を失った人々に食料を提供するために、緊急の募金を行いました。クラレ本社のサポートもあり、病院や老人ホーム用のマスクを確保し、地元の警察や消防署に非接触温度計を提供しました。また、地元の慈善団体をよりサポートするため、モノソルでは従業員マッチングギフトプログラムの予算を倍に増やしました。
同時に、モノソルは地元企業への支援を様々な形で実行しました。安全衛生チームは、地元企業への支援の一環として、新しい安全プロトコルについて地元の製造業者に助言をしました。財務チームは、小規模ベンダーのキャッシュフローを支援するために前払いを行いました。地元の中小レストランの運営維持のために、持ち帰り用の食事を従業員に提供する「テイクアウト・テイクオーバー」プログラムを開始しました。さらに、モノソルは、インディアナポリス地域の中小企業の所有者にマイクロローンを提供する事業回復基金の創設スポンサーになりました。
パンデミックはすべての人に影響を及ぼしていますが、特にCovid19の拡大する以前からすでに不安定な生活を送っていた人々は大きな被害を与えています。この状況を少しでも緩和するために、クラレヨーロッパは従業員によって選ばれた9つの慈善団体に20,000ユーロを寄付しました。主に病気で苦しんでいる人々や、教育を必要としているネパールの子供たちをサポートしました。チェコ共和国の従業員は、3Dプリンターでマスクとバイザーを作成し、パンデミックが始まってすぐ人々に無償で提供しました。
さらに例年同様、KEGの同僚は「靴箱の中のクリスマス」という恵まれない子供たちにクリスマスプレゼントを提供する企画にボランティアとして参加し、おもちゃやお菓子の梱包作業等を手伝いました。
Focus:ランドセルは海を越えて
「ランドセルは海を越えて」は、戦禍によって教育機会を奪われたアフガニスタンなどの子どもたちに、毎年、日本の小学生が使っていたランドセルを文房具や手紙を添えて贈る国際貢献活動で、これまでアフガニスタン・モンゴル・ネパール・カンボジアで活動実績があります。
2004年のスタートから17年目を迎えた2020年度は、全国各地から6,010個のランドセルの提供がありました。このランドセルは、10月~12月にかけてアフガニスタンのナンガハール州にある小学校に学用品と合わせてプレゼントされました。今までの累計は、134,003個になりました。今後、他の国にも支援の輪を広げたいと考えています。
年度 | 個数 | 年度 | 個数 |
2004年度 | 8,514 | 2013年度 | 6,396 |
2005年度 | 12,076 | 2014年度 | 7,908 |
2006年度 | 5,504 | 2015年度 | 7,111 |
2007年度 | 6,894 | 2016年度 | 7,732 |
2008年度 | 7,022 | 2017年度 | 6,857 |
2009年度 | 7,522 | 2018年度 | 8,076 |
2010年度 | 8,973 | 2019年度 | 7,938 |
2011年度 | 11,144 | 2020年度 | 6,010 |
2012年度 | 8,326 | 累計 | 134,003 |