ガバナンス

コンプライアンス

グループのコンプライアンス

クラレグループは、多様な社会との接点において遵守すべき事項を「私たちの誓約」として、またこれを企業活動の中で具体的に実践するためのガイドラインを「行動規範」として定めています。そして、法令および「私たちの誓約」を厳守することを経営トップが宣言しています。これを世界中のクラレグループ社員に周知するため、トップ宣言を明記し、「行動規範」をわかりやすく解説したコンプライアンス・ハンドブックを作成し、国内外のグループ社員全員に配布しています。
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また、クラレ各地域拠点およびグループ各社にコンプライアンス統括者を選任するとともに、地域別にコンプライアンス委員会を設けています。2019年度からは地域別コンプライアンス委員会とリスク・コンプライアンス委員会の活動時期を連動させ、グループ全体のコンプライアンス意識の向上を目指しています。

内部通報制度

クラレグループでは、コンプライアンス違反を防止、または早期に発見・解決するための内部通報制度として、国内クラレグループ全社員(契約社員、派遣社員、パート社員を含む)を対象に「クラレグループ社員相談室」を設置しています。
 これに加えて、急速なグローバル化の進展に対応し、グローバル・コンプライアンスホットラインを設置し、全世界のすべてのグループ社員が利用できるようにしています。
 相談・通報は汚職や腐敗を含む取引全般に関わるもの、社内ルール違反、人権の尊重やハラスメントなど人事関係のものなどコンプライアンス全般を受け付けます。
 また、「クラレグループ社員相談室運用規定」および「クラレグループ グローバル コンプライアンス・ホットライン規定」で、相談・通報は匿名を可とし、相談・通報者が不利益な取り扱いを受けない通報者保護を定め実践しています。

コンプライアンス徹底の取り組み

独禁法遵守に向けた取り組み

近年の二度にわたる独占禁止法違反を厳粛かつ真摯に受け止め、独占禁止法の遵守を経営の最重要課題の一つとして、再発防止に向けた諸施策に全力で取り組み、クラレグループ全体としての遵守プログラムの整備・強化を進めています。
 2020年度には、実効性のあるグローバルな独占禁止法遵守体制を確立するため、全世界のクラレグループ各社を対象に、関連諸規定の整備、役員および従業員に対する教育・研修、事業毎のリスクアセスメント、入札参加事業の監査等を実施しました。2021年度以降についても、クラレグループ全体として独占禁止法遵守プログラムを確実に運用し、リスクの高い事業・分野における遵守体制のモニタリングを徹底していきます。

【2020年度の重点施策の実施状況】

  • 独占禁止法遵守に関する諸規定の整備・改訂
  • 各事業における独占禁止法リスクの評価
  • 事業者団体等における独占禁止法リスクの評価
  • 入札参加事業の年度監査
  • 役員に対する研修の実施
  • 販売等に従事する従業員に対する講習会の実施
  • 講習会受講者に対し社内リニエンシーの実施、独禁法遵守に関する誓約書の取得
  • 独占禁止法を含む不正発生リスク防止のため、特定部署を対象に管理職ローテーション制度を拡大(日本国内のみ)

贈賄防止に向けた取り組み

贈賄防止体制の整備及び強化はクラレグループ全体で取り組むべき継続的な課題であり、経営リスクの一つと認識しています。当社は、贈収賄の防止/献金・寄付の取り扱いに関する行動指針を「クラレグループ行動規範」において内外に示し、贈賄防止に関する基本方針を「クラレグループグローバル贈収賄防止ポリシー」において定めています。これらの基本方針に則り、クラレグループ各社において関連諸規定の整備、役員および従業員に対する教育・研修、代理店等を通じて行われる贈賄リスクの評価・管理など贈賄防止体制の整備・運用に注力しています。
 当社は、「国連グローバル・コンパクトの10原則」に署名し、引き続き腐敗防止活動の一層の強化に取り組んでいきます。

コンプライアンスセミナー

2017年度より国内グループの全社員(契約社員、派遣社員、パート社員を含む)を対象としたコンプライアンス部署教育を年1回実施し、部署内のコミュニケーション・風通しの向上を目指しています。2020年は国内グループ会社の管理職層を対象に、新型コロナ感染症拡大の中、ウェブ開催となりましたが、「なぜコンプライアンス醸成が必要か」を外部講師との対話を通じて学び、参加者が自分の言葉で部下に語れるレベルを目指してセミナーを開催しました。セミナー後半のグループディスカッションでは、「コロナ後の新しいリスク」「情報セキュリティ」「ハラスメント」の中から関心の高いテーマを選び、参加者同士で活発な議論を行いました。その後、参加者はセミナーで得た知識や気付きを部署に持ち帰り、対話型の部署教育を行うことで、部署のコンプライアンス意識の浸透とコミュニケーションの向上を目指しました。