ガバナンス

審議を一層活性化させ、迅速で最適な意思決定を図り、長期的・持続的な企業価値向上に努めます。

クラレグループのコーポレート・ガバナンス体制

当社は、経営の効率性と透明性、公正性を確保する効果的なコーポレート・ガバナンス体制の構築により、多様な利害関係者との適切な関係を維持し、社会に対する責任を果たすことが、長期的・持続的な企業価値向上に資するものと考えます。
 統治形態は「監査役会設置会社」を採用し、この枠組みの中で経営の効率性を確保しつつ監視・監督機能の実効性を高めるため、取締役会・監査役会を中心とした経営統治機構の整備を進め、経営者の報酬・後継者の選定と育成・内部統制・リスク管理などの諸問題について議論を重ねています。

互いの違いを理解・尊重しながら、議論を前向きに展開していく

私は、取締役会メンバーが当社の経営に必要な知識・能力・経験を有することに加え、性別や国籍、歩んできたキャリアといった多様性を背景とした多角的な視点から発言、職務遂行することが、当社のグローバルな事業発展と、より良い企業として拡大成長することに資するものと考えています。
 私自身、2021年1月に代表権を持たない取締役会長となり、経営の監視・監督に重点を置いて職務に取り組んでいます。私は以前から人の話をよく聞くことが重要と考え、大切にしてきましたが、取締役会の議長としては、メンバーが互いに敬い、発言によく耳を傾けることと、各人が忖度なく自由に意見を述べられることを心掛けて、質問や意見が飛び交う活発な取締役会となるようリード、運営しています。振り返ってみますと、当社には社員が自由闊達に議論をたたかわせる文化が昔からありました。互いの違いを理解・尊重しながら、議論を前向きに展開して、価値を生み出す。これは当社が掲げている「個人の尊重」「同心協力」「価値の創造」という企業理念そのものであります。社外役員の皆さんもこの企業理念を共有し、経営に参画いただいています。
 このように、それぞれが各人の持つ知見や経験を背景に多様な意見を述べ、議論を活発に行うことは、会議における意思決定プロセスとして大変重要であると考えます。私は取締役会の議長として今後も迅速で最適な意思決定が行われるよう審議を一層活性化させて、クラレグループの長期的・持続的な企業価値向上に、積極的に貢献していきます。

取締役会の多様性をより一層高め、企業価値向上に努める

当社では、年に1回、取締役会の実効性評価を行っています。2022年12月にすべての取締役・監査役に対して、記名式の質問票による調査を実施しました。
 回答内容の分析・評価では、取締役会の構成、取締役会の議題、取締役会の運営、取締役会外の連携・連絡体制などのいずれの点においても、当社の取締役会は概ね適切に機能しており、取締役会の実効性は確保されていることを確認しましたが、いくつかの指摘事項もあり、課題として今後の対応も必要です。
 その中で、中長期的な課題として、取締役会の構成メンバーの多様性をより一層高めるべきとの意見が寄せられました。当社においても私が社長に就任して以来、外国人取締役や女性取締役に新たなメンバーとして加わっていただき、多様性を高めてまいりましたが、現状で十分と考えているわけではなく、今後もさらなる向上に努めていきます。