ガバナンス

コンプライアンス

グループのコンプライアンス

クラレグループは、多様な社会との接点において遵守すべき事項を「私たちの誓約」として、またこれを企業活動の中で具体的に実践するためのガイドラインを「行動規範」として定めています。そして、法令および「私たちの誓約」を厳守することを経営トップが宣言しています。これを世界中のクラレグループ社員に周知するため、トップ宣言を明記し、「行動規範」をわかりやすく解説したコンプライアンス・ハンドブックを作成し、国内外のグループ社員全員に配布しています。2021年度には全従業員が使いやすいデザインと12言語翻訳に改めてリニューアルして、国内外のグループ会社に配布しました。
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また、クラレ各地域拠点およびグループ各社にコンプライアンス統括者を選任するとともに、地域別にコンプライアンス委員会を設けています。2019年度からは地域別コンプライアンス委員会とリスク・コンプライアンス委員会の活動時期を連動させ、グループ全体のコンプライアンス意識の向上を目指しています。

内部通報制度

クラレグループでは、コンプライアンス違反を防止、または早期に発見・解決するための内部通報制度として、国内クラレグループ全社員(契約社員、派遣社員、パート社員を含む)を対象に「クラレグループ社員相談室」を設置しています。
 これに加えて、急速なグローバル化の進展に対応し、グローバル・コンプライアンスホットラインを設置し、全世界のすべてのグループ社員が利用できるようにしています。
 相談・通報は汚職や腐敗を含む取引全般に関わるもの、社内ルール違反、人権の尊重やハラスメントなど人事関係のものなどコンプライアンス全般を受け付けます。2022年度は社員相談室にて国内で29件の相談を受け付けました。また、相談・通報は匿名を可とし、相談・通報者が不利益な取り扱いを受けない通報者保護を規定により定めています。
 2022年6月の公益通報者保護法改正を受け、相談・通報者を特定可能な情報を受領する窓口担当者を「公益通報対応業務従事者」として個別に指定したほか、改正法に基づく関連規定の改定を行いました。
 また、「クラレグループ社員相談室運用規定」および「クラレグループ グローバル コンプライアンス・ホットライン規定」で、相談・通報は匿名を可とし、相談・通報者が不利益な取り扱いを受けない通報者保護を定め実践しています。

リスクマネジメント・コンプライアンス徹底の取り組み

機密情報漏洩防止に向けた取り組み

当社が運営するサーバーに不正アクセスが行われ、保有する情報の一部が外部に流出したことを2021年10月に確認しました。その後の調査により、流出した可能性のある情報の一部に、取引先及び当社グループ従業員等の氏名・会社連絡先等の個人データが含まれていたことが判明し、関係先への連絡を含め必要な措置を講じました。また、外部の専門機関の協力も得て、ネットワークの監視強化などの情報セキュリティ対策を実施しております。

2022年6月に機密情報管理担当の任命とともに機密情報管理チームを組成し、不正アクセス対策の実行、クラレグループ機密情報管理ポリシーのグローバルでの運用定着を行っています。従業員にはeラーニングによる情報セキュリティ教育や不審メール対応訓練を実施し、情報セキュリティの一層の強化と情報管理体制の厳重化を図っていきます。

※なお、教育については、昨年12月に国内全社員を対象とした機密情報管理に関するeラーニングを実施しています。

独占禁止法遵守に向けた取り組み

クラレグループでは、独占禁止法の遵守を経営の重要課題の一つと位置付け、実効性のある独占禁止法遵守体制を確立するため、リスクの高い事業・分野における遵守体制のモニタリングを継続するとともに、役員および従業員に対する教育・研修、入札案件に関する年度監査などの施策を実施しています。独占禁止法違反の未然防止を図るため、引き続き、クラレグループ全体として独占禁止法遵守プログラムを確実に運用し、遵守状況のモニタリングを実施していきます。

贈収賄防止に向けた取り組み

贈収賄防止体制の整備および強化はクラレグループ全体で取り組むべき継続的な課題であり、経営リスクの一つと認識しています。当社は、贈収賄の防止/献金・寄付の取り扱いに関する行動指針を「クラレグループ行動規範」において内外に示し、贈収賄防止に関する基本方針を「クラレグループグローバル贈収賄防止ポリシー」において定めています。これらの基本方針に則り、クラレグループ各社において関連諸規定を定め、役員および従業員に対する教育・研修の実施、代理店等の第三者を通じて行われる贈収賄リスクの評価・管理(第三者を起用する国・地域、公務員等との接点の有無、当該第三者に関する事前調査等によるリスク評価およびそれに基づく承認手続き、契約・誓約書での法令遵守に関する表明保証の取得を含む)など、グループレベルでの贈収賄防止体制の整備・強化を進めています。

コンプライアンスセミナー

2017年度より国内グループ全従業員を対象としたコンプライアンス部署教育を年1回実施し、部署内のコミュニケーション・風通しの向上を目指しています。2022年度は国内グループ会社の管理職(部長)層を対象に、「コミュニケーション(風通しの良い職場の実現に向けて)」について、事前課題、外部講師によるオンライン研修および事後課題を通じて学び、参加者が自分の言葉で部下に語れるレベルを目指して研修を実施しました。その後、参加者はセミナーで得た知識や気付きを部署に持ち帰り、事務局が提供した教材(テキスト、e-leaning素材等)も活用しつつ、対話型の部署教育を行うことで、部署のコンプライアンス意識の浸透とコミュニケーションの向上を図りました。