品質マネジメント
品質に対する考え方
クラレグループのこだわる品質は、クラレグループの使命である「世のため人のため、他人のやれないことをやる」の実現に根差しています。
私たちが提供する商品・サービスは、お客様にその価値を評価され、受容されてはじめて世の中の役に立つことができる、すなわちクラレの考える品質とは「顧客満足」であること、そしてお客様に認められ、信頼されるパートナーとして選ばれ続けるためには、事業活動に関わるすべてのメンバーが協働し「全員参加」によって「顧客満足」を絶えず高める取り組みを行うことが重要だと考えています。
品質マネジメント
クラレグループでは、2019年度に品質保証や製品安全に関する社内規定を改訂し、CSR本部担当役員がグループの品質保証を統括することを明確にしました。
個々の製品の品質保証や製品安全は製品をよく知る各事業部門が責任を担う一方、CSR本部はコーポレート組織として各事業部門における品質マネジメントシステムを体系化し、継続的な改善を図っています。また、客観的な立場で各事業部門の品質監査を行い、品質保証の運営状況の妥当性を確認する役割も担っています。
各事業部門とCSR本部の間では、定期的に品質に関する連絡会を開催することで情報共有を図り、品質確保・改善に対して協働して取り組んでいます。
従来、企業ステートメントで「私たちは、安全に配慮した高品質の商品・サービスを開発、提供します。」ということを表明していましたが、今回、品質に対する企業姿勢をより明確にするために、「クラレグループグローバル品質方針」を策定しました。
クラレグループグローバル品質方針
「安全で信頼でき、高い品質の商品・サービスの提供を通じて、社会に貢献することを目指します。」
私たちは、サステナブルな社会の実現のために、安全で質が高い商品・サービスを責任と誇りをもって提供し、自然環境・生活環境の向上に寄与することを約束します。
そのために、一人一人が法令・社会の要請やお客様の要望を理解し、お客様にとっての価値の創造を追求して顧客満足を高められるよう、継続的に改善活動を行います。
また、品質マネジメントに関する具体的な「年度行動目標」を定め、クラレグループの従業員の品質意識向上を図り、お客様により満足していただける製品の提供に努めています。
品質保証活動
クラレグループの品質保証活動には、①ISOをベースとするシステム化した活動、②各事業部門や部署で独自に(フレキシブルに)行っている活動、③CSR本部と各事業部門が協働して行う活動、などがあります。
品質マネジメントシステム(QMS)の基本骨格となるISO9001は主に生産事業所単位で認証取得しており、各部署でISO9001に基づいた品質保証の枠組みを構築し、日常的な品質管理・品質保証活動を実行しています。
また、事業内容に応じてISO13485(医療機器に関するQMS規格)やIATF16949(自動車産業のQMS規格)なども取得しています。
IATF16949については、古くからPVB事業部で認証取得していましたが、エバール事業部でもグローバルでの認証取得に取り組んできました。2018年にエバールヨーロッパで認証取得(2003年取得のISO/TS16949からの移行)したのに続き、2019年にクラレアメリカのエバール事業部および日本のエバール事業部(岡山事業所)でも認証取得を完了しました。
一方、事業部門や部署ごとに行っている品質改善活動としては、例えば、製造・販売・開発のメンバーが連携して行う組織横断型の「ICS活動」(エバール事業部、ジェネスタ事業部)や、製造事業所の部署単位で行う「創新活動」などがあります。
これらの事業部門や部署ごとに取り組んでいる活動に加え、CSR本部と各事業部門が協働し、グループ全体の品質マネジメントの質向上を目指す取り組みも実施しています。2018年と2019年には国内全生産事業所の品質保証・品質管理部門から現場課題を抽出し、その改善に協働して取り組みました。さらに、全社へのフィードバックを通じて、品質保証体制、品質マネジメントプロセスの改善を図りました。今後は、生産、開発といったモノづくりだけでなく、物流、保管までを含めた総合的な品質マネジメントの維持・管理を徹底することが必要と考えており、お客様に提供する製品・サービスの品質信頼性のさらなる向上を目指すべく、重要課題として取り組んでいきます。
品質保証教育
クラレグループでは2016年度に品質に対する考え方を取りまとめた「クラレグループ品質ハンドブック」を従業員向けに発行しました。この品質ハンドブックではクラレグループで働くすべての人々にとって共通する以下の基本的な5つの重要事項を定めています。
1 | 全員で品質に取り組むこと(全員参加) |
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2 | 事実に基づいて行動をすること(事実に基づく管理) |
3 | 現場・現物・現実・原理・原則に基づき行動すること(五ゲン主義) |
4 | 各工程で決められたことを満たして次の工程へ渡すこと(品質は工程で作り込む) |
5 | 常に品質の向上に取り組むこと(継続的改善) |
2019年度は、従来定めていた「製品安全に関する基本方針および行動指針」を全面的に見直し、「プロダクト・ライアビリティ」、「化学物質管理」、「品質マネジメント」における要求事項を明確にした「クラレ製品安全規定」をグローバルで制定し、海外を含めたクラレグループ全社員の品質意識向上に努めました。また、継続的な品質ハンドブック教育に加え、営業担当者、開発担当者向けに新製品・用途開発・仕向地変更時等の注意事項を纏めたテキストを作成し、社員一人ひとりが顧客満足のための重要な役割を担っているという意識を向上させる取り組みを行いました。今後もクラレグループ全員がこれら5つの重要事項に根差した「顧客満足」を実現するべく日々の業務に取り組みます。
また、品質保証に携わる責任者および担当者のレベルアップを目的とした社内セミナーにも力を入れています。近年はお客様への品質の信頼性確保が重要になってきていることから、2019年度は「お客様への品質の信頼性を高める品質マネジメント」に関する社内セミナーを開催するなど、品質保証のあり方を社内へ浸透させるための活動も進めました。
製品事故発生時の対応
クラレグループでは、苦情情報を事業部で管理することにより、お客様への速やかな対応を行うとともに再発防止を図っています。しかし重大な案件については「PL事故対応および品質クレーム報告規則」に基づき全社で取り組む体制を定めています。
重大な製品事故が発生した場合には、CSR本部が速やかに経営層に状況を報告し、法令に基づいた行政機関への報告とともに、コーポレート緊急対策本部を立ち上げ、お客様視点で迅速かつ適切な措置を講じます。また、緊急の対応を要する重大な製品事故だけでなく、一般の事故に対しても原因究明と再発防止のための是正措置を取る仕組みを構築しています。
なお、クラレグループにおいて2019年度は、重大な健康被害や、火災等の財産への被害の原因となるような事故・製品回収は発生しておりません。
品質マネジメントシステム認証一覧(2019年12月末現在)
- (1) ISO9001
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- クラレ新潟事業所
- クラレ鹿島事業所
- クラレ岡山事業所
- クラレ倉敷事業所 膜・モジュール生産技術開発部
- クラレ倉敷事業所 フィルム生産・技術開発部
- クラレ倉敷事業所 研究開発本部 機能製品開発部
- クラレ玉島(株)(エステル工場)
- クラレ西条事業所
- クラレ鶴海事業所
- クラレプラスチックス(株)(伊吹工場)
- クラレファスニング(株)(丸岡工場)
- クラレエンジニアリング(株)
- クラレトレーディング(株)(岡山工場)
- クラレテクノ(株)(ビル管理サービス事業部)
- EVAL Europe NV
- Kuraray Europe GmbH
- Kuraray Europe GmbH Business Area PVB
- Kuraray America Inc.-EVAL BU
- Kuraray America Inc. Septon BU
- Kuraray America,Inc. PVA Division
- Kuraray America,Inc. PVB Division
- Kuraray America,Inc.Vectran Division
- Kuraray America,Inc.Trading BU
- Kuraray Korea Ltd.
- Kuraray Europe Moravia s.r.o.
- Kuraray Asia Pacific Pte.Ltd.
- MonoSol, LLC
- MonoSol AF, Limited
- Plantic Technologies Limited
- Calgon Carbon Corp
- Calgon Carbon Suzhou
- Calgon Carbon UV Technologies LLC
- Chemviron S.A. Feluy & Chemviron Carbon Ltd Tipton
- Chemviron Carbon Limited Ashton -in-Makerfield
- Chemviron Italia SRL
- Chemviron France SAS
- Chemviron Carbon Cloth Division a Division of Chemviron Carbon Ltd
※ 事業所・工場の敷地内に所在する下記のグループ会社を含みます。
クラレ西条(株)、クラレクラフレックス(株)(岡山工場)、クラレ岡山スピニング(株)、クラレテクノ(株)
- (2) ISO13485
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- クラレノリタケデンタル(株)
- クラレ 機能材料カンパニー メディカル事業部 バイオマテリアル部
- Kuraray Europe Benelux B.V.
- Chemviron Carbon Cloth Division a Division of Chemviron Carbon Ltd
- (3) IATF16949
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- EVAL Europe NV
- Kuraray America Inc.-EVAL BU
- 岡山事業所 エバール事業部
- Kuraray Europe GmbH Division Troisdorf
- OOO TROSIFOL
- Kuraray Korea Ltd.