サステナビリティ・マネジメント

サプライチェーン・マネジメント

≪CSR調達方針≫

クラレグループは、多様な社会との接点において遵守すべき事項を【私たちの誓約】として、またこれを企業活動の中で具体的に実践するためのガイドラインを「行動規範」として定め、よき企業市民としての責任を全うすることを心がけています。その一環として、弊社グループでは2005年に、国際的な普遍的原則である「国連グローバル・コンパクトの10原則」に基づき、「CSR調達方針」を策定し、取引先に当該方針のご理解を求めてきました。しかしながら、近年のサプライチェーン・マネジメントに対する社会的要請の高まりを受け、従前の「CSR調達方針」では不十分な点も出てきたため、2019年に「CSR調達方針」を刷新しました。「CSR調達方針」に掲げる事項は、弊社グループが遵守・履行するのはもちろんのこと、取引先とも共有し、協力し合い、共に取り組んでいくことを弊社の購買取引の基本といたします。
当社は国連グローバル・コンパクトに賛同し署名しています

CSR調達方針

≪取引先の評価≫

①CSR調達アンケート
 クラレグループは、「サプライチェーン・マネジメントの向上」をマテリアリティの一つとして位置付けており、2021年度に策定し2022年度にスタートする次期中期経営計画の中で、サプライチェーンにおける「CSR調達方針」の遵守および履行の徹底を目標の一つとする予定です。具体的には、取引先への「CSR調達方針の浸透」→「CSR調達アンケート実施」→「アンケート結果の解析・評価」→「フィードバック、改善支援」のサイクルシステムを構築し運用することで、定期的なモニタリングを行い、リスクの低減・持続可能な調達の実現に向けて取り組みます。また、この活動の中で、特に積極的な改善支援が必要と判断された取引先に対しては、コミュニケーションを取りながら教育・改善指導を行います。さらに、サプライヤーにおける活動や改善状況をもとに、サプライヤー監査の必要性や頻度を見極める予定です。
 この取り組みの第一歩として、2020年にクラレグループ(日本)1)の主要取引先2)を対象に「CSR調達に関するアンケート」を実施いたしました。

  • 1)クラレグループ(日本)とは、株式会社クラレおよび関連企業(国内)https://www.kuraray.co.jp/company/base/domesticの「製造業」6社を指します。
  • 2)総購買金額の80%をカバーする取引先

本アンケートは、クラレグループコンプライアンスハンドブックの18項目と国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンが公開する「CSR調達セルフ・アセスメント質問表」を反映し、人権の尊重、性別・国籍などを含む差別の禁止、児童労働の禁止、水問題、地球温暖化対策、環境汚染対策、賄賂、汚職などの防止など公正な企業活動、品質の確保、情報セキュリティ、サプライチェーンへの配慮、地域社会との共生等、9分野51項目から構成しています。

CSR調達アンケート

各項目について、体制の有無や是正・確認の有無の状況を選択肢で回答

2020年CSR調達アンケート回答社数、回答率

アンケート依頼社数 回答社数 回答率
223社 219社 98.2%

今後の対応

今回実施したアンケート結果の解析を行った上で、取引先に対して結果のフィードバック・より詳細な実態把握のためのヒアリング・それをもとにした改善支援などを行い、PDCAサイクルを確立・定着することで、CSR調達方針の浸透およびサプライヤーと共同でのレベル向上を図ります。

さらに次期中期計画(2022-2026年)の中で、クラレグループ会社(海外)での取引先(サプライヤー)に対しても順次調査を拡大することで、クラレグループ全体でのサプライチェーン・マネジメントの向上を目指します。

②その他の調査
 この他にも業種別での評価を一部実施しており、例えば国内の外部営業倉庫会社を対象に、新規選定と継続的評価の基準となる項目をまとめた「倉庫会社適格性評価リスト」を作成し、同リストに基づき、立地や設備、倉庫作業環境、社内教育の実施状況等について新規採用時および起用後に定期監査を行い、結果が合格基準に達しない場合は改善指導を行う等の取り組みも進めています。

クラレのグリーン商品購入活動

クラレは2002年に定めた「グリーン購入ガイドライン」に沿って、環境負荷の低い「グリーン商品」を優先的に購入する活動を継続しています。

『ホワイト物流』への取り組み

クラレは国土交通省他の要請により、2019年9月30日に『ホワイト物流』推進運動に賛同して自主行動宣言しました。『ホワイト物流』推進運動とは、深刻化するトラック運転者不足に対応し、国民生活や産業活動に必要な物流を安定的に確保するとともに、経済の成長に寄与することを目的として、トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化や、女性や60代の運転者等も働きやすいより「ホワイト」な労働環境の実現に取組む運動です。クラレはその活動を広めるべく、クラレ社内と取引先各社に『ホワイト物流』推進運動について宣言内容を共有し、課題解決のための活動を広めています。

クラレの『ホワイト物流』自主行動宣言

クラレは、『ホワイト物流』推進運動へ賛同し、主に運送内容の見直しと安全の確保を中心に以下の自主行動を宣言します。

1.物流の改善提案と協力: 物流会社からの改善提案に真摯に協議に応じます。
2.パレット等の活用: 荷役時間の軽減を図ります。
3.保管場所の集約: 複数箇所での積込を無くし、拘束時間短縮と効率改善を図ります。
4.輸送効率改善: トラックから船や鉄道へのモーダルシフトを一層拡大します。
5.混雑回避: オリンピック・パラリンピック開催時の混雑を回避します。
(鹿島事業所の製品輸出港を京浜港から鹿島港に切替える)
6.物流システムの標準化: WEBによる出荷情報を事前提供し、輸送手配を容易にします。
7.荷役作業時の安全対策: 危険物の出荷・充填設備を改善し、手順を見直します。
物流安全協議会(於:鹿島事業所)にて危険物製品の輸送に用いるISOコンテナについて勉強会を実施