鹿島事業所
エラストマー研究開発部
セプトン研究開発グループ
2019年入社
マテリアル環境工学科修了
もともと私は、BtoBビジネスを展開している企業で、研究開発の仕事に携わりたいと考えていました。クラレに興味を持ったのは、高付加価値な素材を数多く製造し、それらが液晶ディスプレイや自動車部品などの身近な製品に使われていると知ったからです。新素材を開発することで多くの人の役に立てるのではと思い、志望しました。
ゴムの弾性とプラスチックの成形性を併せ持つ熱可塑性エラストマー〈セプトン®〉の研究開発を行う部署で、高分子の有機化合物であるポリマーの合成や、ポリマーとオイルの混合物の物性評価を行っています。ここで機械物性や加温時の流動性等を測定し、必要な条件を満たしているか、どの因子が物性に影響するのかを考察します。この仕事で難しくもありおもしろいと感じるのは、実際に混ぜてみないと、どんなものができて、それがどんな分野に活かせるのか、わからない点です。明確に「〇〇をつくろう」と思って作業しているわけではないので、根気よくさまざまな可能性を追求する必要があります。
以前ポリマー合成を行った際、操作を誤って2日間の作業を無駄にしてしまったことがあります。この作業は繊細で、少し手順が違うだけでまったく異なるものができあがってしまいます。また原料も限りがあり、決して安価なものではありません。そのとき上司からは、「誰にでも失敗はある。失敗から学べ」と励まされました。そして、作業手順だけではなく、なぜそうするのかという理由も教えてもらいました。この経験を活かし、今はどの作業においても、合成時に使用する器具の前準備と、直前の指差し呼称を徹底するようにしています。
各社員の所属・内容は取材当時のものです。