環境報告

環境マネジメント

クラレグループは「素材・中間材メーカーであるクラレの使命は、低炭素社会・低環境負荷社会構築に求められる製品に必須の素材・中間材を提供することによる貢献であり、その素材・中間材をできるだけ低い環境負荷で製造、提供することである」と考え、地球温暖化対策の推進、化学物質の排出管理、廃棄物の有効利用などの環境保全活動に継続して取り組んでいます。

【ご注意】
会計年度変更に伴い、本レポートにおける環境関連データはグラフも含め次の通りとなっています。

  • ・2013年度以前:4月-3月の12ヶ月実績
  • ・2014年度 :4月-12月の9ヶ月実績+2014年1月-3月実績(または推定値)(2013年度と重複しています)
  • ・2015年度以降(参考):1月-12月の12ヶ月実績

環境目標と実績

評価
 ☆☆☆:計画を上回る
 ☆☆:ほぼ計画通り
 ☆:さらに取り組みが必要

  対象範囲 2017年度 2018年度目標 環境中期目標
(2020年度達成目標)
評価
目標 実績
地球
温暖化防止
国内
グループ
【GHG※1排出量削減対策量】
12千トン以上(対前年度比)
【GHG排出量削減対策量】
9.6千トン(対前年度比)
【環境効率(GHG排出量)】
2010年度対比 8.7%向上
【GHG排出量削減対策量】
13千トン以上(対前年度比)
【GHG排出原単位指数】
対前年比1%以上の向上
【GHG排出原単位指数】
対前年比1%以上の向上
海外
関係会社
【環境効率(エネルギー使用量)※2
2010年度対比 7%向上
【環境効率(エネルギー使用量)】
2010年度対比 9.1%減少
【エネルギー原単位指数】
対前年比1%以上の向上
【エネルギー原単位指数】
対前年比1%以上の向上
化学物質の
排出管理
国内
グループ
【日化協PRTR物質排出量】
2010年度排出量(1,104トン)以下の維持
【日化協PRTR物質排出量】
1,066トン
【環境効率(日化協PRTR物質排出量)】
2010年度対比 20.1%向上
【日化協PRTR物質排出量】
2016年度実績値(957トン)未満に管理
【日化協PRTR物質排出量】
2016年度実績値(957トン)未満に管理
☆☆
廃棄物の
有効利用
国内
グループ
【廃棄物の発生量削減対策量】
2016年度発生量の1%相当分(900トン)以上
【廃棄物の発生量削減対策量】
1,180トン
【環境効率(廃棄物発生量)】
2010年度の維持
【廃棄物の発生量削減対策量】
2016年度発生量の1%相当分(900トン)以上
【埋立処分量】
2016年度実績値(251トン)未満に管理
【廃棄物の発生量削減対策量】
2016年度発生量の1%相当分(900トン)以上
【埋立処分量】
2016年度実績値(251トン)未満に管理
☆☆
海外
関係会社
【環境効率(廃棄物発生量)】
2010年度対比 7%向上
【環境効率(廃棄物発生量)】
2010年度対比 31.6%減少
海外生産拠点各国の法的要求事項を遵守するとともに、廃棄物発生量の削減、定量管理を継続する。
水資源の
有効利用
国内
グループ
国内クラレグループの立地条件に鑑み、当面は数値目標の設定はしないが、できる限りの節水に努めながら水使用量の定量管理を継続する。
海外
関係会社
【環境効率(水使用量;海水除く)】
2010年度対比 7%向上
【環境効率(水使用量;海水除く)】
2010年度対比 40.7%減少
【水(海水除く)原単位指数】
対前年比1%以上の向上
【水(海水除く)原単位指数】
対前年比1%以上の向上
  • ※1)温室効果ガス(Greenhouse Gas)
  • ※2)海外関係会社は電力・蒸気のほとんどを外部購入しています。温室効果ガス排出量は供給元の影響(排出係数)を大きく受けることから、海外関係会社の環境保全活動を適正に評価するため、供給元の影響を受けない「エネルギー使用量」で評価することとしています。

環境マネジメントシステム

■環境保全推進体制

クラレでは全社的な環境保全活動に取り組むため、CSR委員会の中に「環境保全ワーキングチーム(WT)」「温暖化対策WT」を設置し、地球温暖化対策、化学物質の排出管理、廃棄物の有効利用等に取り組んでいます。

■クラレグループ環境方針と活動指針

クラレグループは「クラレグループ地球環境行動指針」「環境活動方針」を定めています。さらに「クラレ環境活動マネジメント規定」に基づき、各事業所・関係会社と本社間のP(計画)D(実行)C(点検・評価)A(処置・改善)サイクルを回して継続的改善を図っています。また、各事業所・関係会社においてISO14001の認証を取得し、各々のPDCAサイクルを回して環境保全活動を進めるとともに、ISO14001;2015年度版への移行を2018年9月の移行期限内に完了する予定です。

クラレグループ地球環境行動指針
基本方針

地球環境、地域社会と調和した事業活動を通じて、次世代への責任を果たしていきます。この基本方針を実践するために、以下の活動を行います。

  • ①環境と安全を最優先課題として事業活動を行う。
  • ②永続性のある地球環境改善活動を行う。
  • ③地球環境改善に貢献する技術、商品の開発を行う。
2017年度環境安全センター方針
環境マネジメントシステムに則った環境保全及び環境改善活動を推進し、法的要求事項を遵守するとともに、環境中期目標達成に向けて環境負荷の継続的な改善に取り組む。また、2018年9月が移行期限であるISO14001;2015年版への移行準備を計画的に推進する。

■環境影響管理

クラレグループでは、2017年度に環境に重大な影響を及ぼす化学物質、および、廃棄物の漏洩事故はありませんでした。また、国内グループでは、公共用水域への排出について、法が定める排水基準を遵守しており、河川、地下水、海域等へ著しい影響を及ぼす事例はありませんでした。有害廃棄物の輸送については、PCB含有廃棄物等の処理業者への移送が該当しますが、法に従い適切な対応を実施しています。

■環境中期計画とその見直し

このたびクラレグループは、2011年から取り組んできた「環境中期計画」の見直しを行いました。従来は評価指標として売上高を基準とした「環境効率※1」を用いてきましたが、目標設定時から大規模なM&A等で事業構造が大きく変化し、また市場環境の変化も加わり売上高基準の「環境効率」では、環境改善活動の成果を適正に評価できないと判断したためです。新たな「環境中期計画」では環境改善活動の成果が直接的に評価できるように生産量原単位指数※2による評価を基本とします。
なお地球温暖化への対応について、2030年に向けた「パリ協定」が発効しましたが、国内では温室効果ガス排出量削減に向けた諸施策が政府内で現在議論され始めたところであり、現時点では2020年以降の目標設定は見送り、今回の計画見直しは2020年までの期間を対象としました。

再設定した目標値は「環境目標と実績」表 の通りです。海外関係会社を含め、クラレグループ全体で環境改善活動のPDCAサイクルをしっかりと廻しながら着実な環境改善に努めます。

※1) 環境効率=売上高/環境負荷
環境負荷:GHG排出量、化学物質排出量、廃棄物発生量等
製造工程でのGHG排出量等を削減した場合でも、事業活動が拡大すると排出量の絶対値は増加するため、削減努力が適正に評価されなくなります。そこで売上高と環境負荷を組み合わせた“いかに効率的に生産活動を行ったか”を評価する指標として「環境効率」を導入し、2017年度までこの環境効率を向上させていく活動を進めました。

※2) 生産量原単位指数=換算生産量/環境負荷
環境負荷:GHG排出量(国内)、エネルギー使用量(海外)等
環境負荷当たりの生産量。2016年度を100とした指数で表す。新たな事業の編入等により事業環境が大きく変化すると、環境効率(=売上高/環境負荷)も大きく変動するため、GHG削減努力等の結果が反映されにくくなります。そこで、“いかに効率的に生産活動を行ったか”を評価する新たな指標として、換算生産量の「原単位指数」を導入し、事業環境の変化に応じて換算係数を見直すことで、現場の環境改善活動が反映されやすくしました。2018年度からこの原単位指数を向上させていくことを目標として掲げています。

■事業活動のマテリアルフロー

クラレグループは事業活動の中で多くのエネルギー、化学物質および水資源などを使用しています。毎年投入した資源、排出物質を定量的に把握し、事業活動に伴う環境負荷を低減するために役立てています。