品質マネジメント
クラレグループでは、主に生産事業所単位でISO9001等の品質マネジメントシステムを導入しています。事業部では、事業毎にお客様の要求を製品に反映し、供給するための仕組みを構築しています。グループ全体の品質マネジメントはCSR本部が担い、その強化に努めています。
グループ全体の品質マネジメントの強化においては、2016年度から事業部ごとの品質マネジメントの現況確認と改善を事業部とCSR本部が一体となり進める仕組みを運用しています。2017年度はこの仕組みを、前年に導出された課題や新たに生じた課題等に対し、全社横断的に状況を確認し改善活動を行うPDCAサイクルに発展させました。今後、このPDCAサイクルを継続して回していくことでグループ全体の品質マネジメント向上を目指します。
品質に関する考え方
クラレグループの品質の考え方は、クラレグループの使命である「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」の実現に根差しており、企業ステートメント「私たちの信条」における「価値の創造」、「顧客のニーズが基本」や「私たちの誓約」の第一項に掲げられている「私たちは、安全に配慮した高品質の商品・サービスを開発、提供します」という言葉によっても表しています。
私たちが提供する商品・サービスは、お客様にその価値を評価され、受容されてはじめて世の中の役に立つことができる、すなわちクラレの考える品質とは「顧客満足」であること、そしてお客様に認められ、信頼されるパートナーとして選ばれ続けるためには、事業活動に関わるすべてのメンバーが協働し「全員参加」によって「顧客満足」を絶えず高める取り組みを行うことが重要だと考えています。
クラレグループではこの考え方を基に、2016年度からCSR本部と事業部が一体となったグループの品質マネジメントの向上に取り組んでおり、品質マネジメントの継続的な強化を目指しています。
品質保証活動
クラレグループは、各事業がそれぞれ創意工夫し、「顧客満足」を実現するために継続的な品質改善に取り組んでいます。例えば、エバール事業部が2012年度から、ジェネスタ事業部が2015年度から「顧客満足度」の向上を目指し取り組みを開始した「ICS活動」では、製造・販売・開発に関わるメンバーが連携し組織を横断して品質改善活動を進めています。
CSR本部と事業部が一体となりグループ全体の品質マネジメントの向上を目指す取り組みは、各事業部長が指名する品質保証の責任者からなる「品質保証・製品安全ワーキングチーム」を中心に進めています。2017年度には事業部の特色的な品質への取り組み事例や全社的な品質クレームの傾向分析、自動車業界・電子電気業界等のお客様からの要求事項の変化への対応策などを同チーム内で共有するとともにグッドプラクティスの水平展開に努めました。また、2016年度に全社課題として抽出された新製品開発における品質に関する種々の法令・規則・規格や安全性などの事前確認について、新製品開発時の必須確認項目を網羅したチェックシートを整備し、開発段階での品質保証の強化を行いました。
品質保証教育
2016年度にクラレグループの品質に対する考え方を取りまとめた「クラレグループ品質ハンドブック」を発行しています。この品質ハンドブックではクラレグループで働くすべての人々にとって共通する以下の基本的な5つの重要事項を定めています。
1 | 全員で品質に取り組むこと(全員参加) |
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2 | 事実に基づいて行動すること(事実に基づく管理) |
3 | 現場・現物・現実・原理・原則に基づき行動すること(五ゲン主義) |
4 | 各工程で決められたことを満たして次の工程へ渡すこと(品質は工程で作り込む) |
5 | 常に品質の向上に取り組むこと(継続的改善) |
2017年度には本ハンドブック内で強調している「クラレの考える品質」、「品質とは顧客満足」およびこれらの重要事項について改めて直接伝えるために、全ての事業部にハンドブックを配布し、これを解説する機会を設け、品質に対する意識向上に努めました。また、国内外の社内報に「クラレの考える品質」という題名で記事を投稿し全社員への周知を図りました。今後もクラレグループの一人ひとりがこの5つの重要事項に根差した「顧客満足」を実現するべく日々の業務に取り組みます。
また、品質保証に携わる責任者および担当者のレベルアップを目的とした社内セミナーにも力を入れており、2017年度にはリスクアセスメントの手法としてスタンダードになりつつあるFMEA(故障モードと影響解析)に関する全社セミナーを開催するなど、品質保証のあり方を啓蒙するための活動も進めました。
製品事故発生時の対応
クラレグループでは、苦情情報を事業部で管理することにより、お客様への速やかな対応を行うとともに再発防止を図っています。しかし重大な案件については「PL事故対応および品質クレーム報告規則」に基づく対応を定めています。
重大な製品事故が発生した場合には、CSR本部が速やかに経営層に状況を報告し、法令に基づいた行政機関への報告とともに、コーポレート緊急対策本部を立ち上げ、お客様視点で迅速かつ適切な措置を講じます。また、緊急の対応を要する重大な製品事故だけでなく、一般の事故に対しても原因究明と再発防止のための是正措置を取る仕組みを構築しています。
なお、クラレグループにおいて2017年度は、重大な健康被害や、火災等の財産への被害の原因となるような製品回収・事故は発生しておりません。
品質マネジメントシステム認証一覧(2017年12月末現在)
- (1) ISO9001
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- クラレ新潟事業所
- クラレ鹿島事業所
- クラレ岡山事業所
- クラレ倉敷事業所 膜・モジュール生産技術開発部
- クラレ倉敷事業所 フィルム生産・技術開発部
- クラレ倉敷事業所 研究開発本部 機能製品開発部
- クラレ玉島(株)(エステル工場)
- クラレ西条事業所
- クラレ鶴海事業所
- クラレプラスチックス(株)(伊吹工場)
- クラレファスニング(株)(丸岡工場)
- クラレエンジニアリング(株)
- クラレトレーディング(株)(岡山工場)
- クラレテクノ(株)(ビル管理サービス事業部)
- EVAL Europe NV
- Kuraray Europe GmbH
- Kuraray Europe GmbH Business Area PVB
- Kuraray America Inc.-EVAL BU
- Kuraray America Inc. Septon BU
- Kuraray America,Inc. PVA Division
- Kuraray America,Inc. PVB Division
- Kuraray America,Inc.Vectran Division
- Kuraray America,Inc.Trading BU
- Kuraray Korea Ltd.
- Kuraray Europe Moravia s.r.o.
- Kuraray Asia Pacific Pte.Ltd.
- MonoSol, LLC
- MonoSol AF, Limited
- Plantic Technologies Limited
※ 事業所・工場の敷地内に所在する下記のグループ会社を含みます。
クラレ西条(株)、クラレクラフレックス(株)(岡山工場)、クラレ岡山スピニング(株)、クラレテクノ(株)
- (2) ISO13485
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- クラレノリタケデンタル(株)
- クラレ 機能材料カンパニー メディカル事業部 バイオマテリアル部
- Kuraray Europe Benelux B.V.
- (3) ISO / TS16949、IATF16949
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- EVAL Europe NV
- Kuraray Europe GmbH Division Troisdorf
- OOO TROSIFOL
- Kuraray Korea Ltd.