社会性報告

職場での取り組み

クラレグループは人材への基本的な考え方をまとめた「グローバル人事ポリシー」に基づいて、社員一人ひとりが仕事を通じて人間的に成長できるよう、多様性の推進、人材育成、公正・公平な評価などの制度を整えるとともに、健全な組織風土の醸成と雇用機会の創出に取り組んでいます。

クラレグループグローバル人事ポリシー

  • 個人の人権を尊重します。
  • 差別を撤廃し、多様性を尊重します。
  • 法律を遵守した人事施策を実行します。
  • 公平・公正・透明な人事制度を目指します。
  • 職場環境の整備に努めます。
  • クラレグループの発展に貢献できる人材の雇用に努めます。
  • 適材適所の配置を行います。
  • 納得性の高い評価・処遇を行います。
  • 能力開発を支援します。
  • 適切な情報開示、コミュニケーションの促進に努めます。

社会性目標と実績

テーマ 目標 経過・実績 評価・課題 2018年度計画
働きがいを実感できる人事施策の実施 社員に対する成長機会の提供
  • 年代別に「キャリアを自分でデザインする研修」を実施
    50歳管理職
    45名
    42歳管理職
    21名
    30歳ECコース(総合職)
    43名
    109名
  • 新入社員研修にキャリア講義を導入
  • 本制度の定着、および女性活躍推進などへのアプローチの1つとして活用していくことが課題
  • 「自律的なキャリア開発をサポートする仕組み」の継続
  • GTT15.16期を実施(人材育成の項目参照)
    参加者の半数は海外各社の社員
  • トレーニー派遣、「日本→海外」7名に加え、「海外→日本」2名の受け入れの実施
  • 海外からの参加者数・参加国が拡大。参加国の維持・拡大が課題
  • 海外からのトレーニー受け入れを増やすことが課題
  • グローバル研修の実施とトレーニーの拡大(海外から日本への受入増
  • グローバル人事システムとして、Konnectを導入し、期初の目標設定よりグローバル共通制度にて運用を開始
  • 使いやすさの改善
  • グローバル人材情報を管理するための基盤整備
  • リーダーシップ開発のグローバル共通の仕組み構築
ダイバーシティ、ワーク・ ライフ・バランスの推進 働き方改革の取り組み
  • 柔軟な勤務制度の整備では、海外との電話会議対応としての時差出勤制度の運用や、在宅勤務制度の試行の実施
  • 組織として、個人としての生産性向上のための様々な施策の実行が課題
  • フレックスタイム制度の試行、在宅勤務制度の本制度化
女性活躍推進
  • 部長クラスを対象としたワークショップを実施
  • 準管理職クラスの女性社員を対象とした研修を実施
  • 意識変革を促すための研修などの継続実施
  • 管理職層への研修(ワークショップ)実施
障害者の雇用推進
  • クラレの障害者雇用率2.27%(2017年6月1日現在)
  • 2018年4月から、法定雇用率が2.2%に引き上げられるため、雇用率が低い事業所・関係会社での取り組みが不可欠
  • 法定雇用率(2.3%:2020年度見込)+0.2%
  • 主要関係会社の障害者雇用率の増加
心身の健康管理施策の強化・推進 メンタル対策の継続・強化
  • 研修(ラインケア・セルフケア研修)を継続実施(ラインケア研修受講率100%を達成)
  • ストレスチェックをクラレ国内グループで実施
  • 計画通りに実施を達成。継続的な実施が課題
  • 研修の継続実施
  • ストレスチェックの継続実施と分析結果のデータ活用

社員数

社員数 2017年12月末現在
  全体 男性 女性
クラレグループ全体 9,089名 7,476名 1,613名
クラレ単体 3,832名 3,406名 426名

クラレ離職率

クラレ離職率 2017年度

  離職率
自己都合 0.90%
定年 1.10%

人材育成

国内クラレグループでは、業務上必要な知識・スキルの獲得と社員の自律的なキャリア形成をサポートする人材育成制度を設けています。

育成プログラムは、正社員だけではなく、臨時パート社員、契約社員も必要に応じて受講が可能です。クラレ各事業所、各国内グループ会社でも、独自の人材育成プログラムを企画・実施して、社員のスキル開発・キャリア形成にきめ細かく対応しています。また、自己啓発による一定の公的資格の取得に対して、奨励金を支給する資格取得支援制度も設けています。

グローバル人材育成プログラム

クラレグループはグローバルな成長の更なる加速のために、世界を舞台に活躍できる人材を育成すべく、階層毎に各種プログラムを実施しています。

2017年度は、部長クラス、課長クラスを対象とする集合研修(AGM、GTT)を、また担当者レベルを中心に短期トレーニー等を実施し、国内・海外を合わせて約50名が参加しました。

2018年度は、部長クラス・課長クラス向けの研修を、内容をブラッシュアップしながら開催する予定です。また、短期トレーニーについても継続的に実施します。

・自律的なキャリア開発をサポートするしくみ

クラレでは社員が自分のキャリア構築に積極的に取り組み、一人ひとりが生き生きと働く組織を目指して、『自律的なキャリア開発をサポートするしくみ』を導入しています。その一環として3つの年代層(30、40、50代)に『自分でキャリアをデザインする研修』を実施しています。

2015年から2017年までの3年間に合計305名が研修を受講し、研修後には社内キャリアアドバイザーとの面談を行って、キャリア目標実現に向けたサポートを受けています。

公正・公平な制度

・人事諸制度

クラレは、年功や属人的要素ではなく、職務遂行能力の向上や業績・役割、高い目標へのチャレンジを処遇に反映する人事制度を導入しています。具体的には、管理職は役割・業績に応じて処遇する役割等級制度により、一般社員は能力伸長度・業績に応じて処遇する職能資格制度により、給与・賞与を決定しています。また、希望するキャリアパスに応じて育成コースを転換できる制度も取り入れています。

2018年度には、主に管理職層を対象としたグローバル共通人事制度を導入し、グループ内における一層の人材活用・活性化を図っています。

今後も、処遇制度の納得性をより一層高めるよう、賃金・手当・賞与・勤務制度の各分野について見直しを継続していきます。

・評価について

人事評価は上司と部下が面談のうえで、職務や能力開発上の目標を設定し、実績を評価する目標管理制度を取り入れており、評価者研修も継続的に実施しています。

ダイバーシティ(多様性)とワーク・ライフ・バランスの推進

クラレでは働き方改革や女性活躍推進の活動を通じて、多様な人材の能力を最大限活かし、組織力を向上することを目標としています。

・女性活躍推進

女性社員の採用人数増と職域の拡大、職場への定着の3点を重点的な課題として取り組んでいます。2017年度は、風土醸成・意識改革を目的とした部長クラスのワークショップや、準管理職クラスの女性社員を対象とした研修を実施しました。2018年度は、引き続き部長クラス、課長クラスの研修を実施していきます。また、キャリアと家庭事情の両立支援策の拡充を進めていきます。

・働き方改革

クラレでは、『働き方改革』の取り組みを進めており、2017年度は意識変革に主眼を置き、以下の施策を実施しました。

①「ノー残業ウィーク」の実施
各人が特定の1週間を「ノー残業ウィーク」と宣言し意識して定時帰社する取り組みです。仕事の段取り向上、定時帰社の習慣化を目的に実施しました。
②効率的な働き方促進のためのレイアウト工夫等
社員の効率的な働き方を後押しすべく、(a)立ち会議室、(b)業務集中エリア、を導入しました。
2018年度以降も、社員の生産性向上スキル研修の実施やフレックスタイム制度・在宅勤務制度の導入など、様々な切り口から施策を進めていきます。

・育児介護休職制度

社員の育児・介護をサポートする制度を導入しています。育児休職は、保育園入園時期を考慮し、子どもが1歳を超えても休職が必要と認められる場合は、子が2歳に達する日まで取得できます。また、男性の育児参加を促進するため、男性の育児休職取得を推進しています。

育児休職・介護休職者数数【クラレ】
育児休職・介護休職者数[クラレ]
年度 育児 (うち男性) 介護
2014年度 46名 7名 2名
2015年度 48名 18名 2名
2016年度 43名 27名 0名
2017年度 52名 33名 0名

・配偶者海外転勤同行休職制度

配偶者の海外勤務等に同行する社員に対し、休職制度を適用し、配偶者の海外勤務等が終了した後に、クラレグループへの復職を可能とする制度を制定し運用しています。

・障がい者雇用

法定雇用率(2.2%)を達成するだけでなく、地域や障がい者の支援機関などとも連携して、障がい者の自立支援に取り組みます。地域の福祉施設と連携して知的障がい者のための作業所を開設しています。
※2018年4月より法定雇用率が2.0%から2.2%に改定されています。

心身の健康管理への取り組み

・労働衛生基本方針について

クラレグループは心身ともに健康で安全に働くことのできる職場環境を整備するため、「クラレ労働衛生基本方針」を制定しています。

・クラレ労働衛生基本方針

クラレグループでは、「私たちの誓約」に基づき、社員および関係者の安全と健康の確保が企業活動の基本と認識し、健康で安全に働くことのできる職場環境の整備と健康づくり活動に取り組みます。

・メンタルヘルスケアへの取り組み

4つのケア(セルフケア・ラインケアなど)の取り組みを通じて、メンタル不調の低減に努めます。ストレスチェックをはじめ、予防のための研修実施や、カウンセリングなどの相談の仕組み、休職者の職場復帰のためのリハビリ出勤制度などを整備・推進しています。

・健康づくりの支援

個別の健康指導や、健康づくり運動の推進などで、社員の健康意識向上を図ります。社員が自主的に生活習慣改善に取り組む「ヘルスアップ作戦」を全社的に展開しています。また、改善が必要な社員の早期発見のため、法律を上回る内容で健康診断を実施しています。